司令の戦闘人形

□人形のわがまま
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────────警戒区域

ザザッ

「おっ援軍登場か。助かるな〜… フェル」

「…フェルミリア・クロイツ。現着」

「なっフェル!?まさか!お前はこっち側のはずだ!」

太刀川が目を見開きフェルミリアを見つめた。

「どういうつもりだ?…城戸司令の直属の人間がなぜ玉狛につく?玉狛に寝返る気か?」

と風間が静かにフェルミリアへ問い掛けると三輪が睨み付ける。

「所詮は近界民だったという事だ。裏切り者…いや、お前はそもそも仲間なんてものではなかった」

その言葉にフェルミリアは初めて唇を噛んだ。

「三輪、やめろ。今はそんな話をする時ではない」

「…」

「…まぁ、フェルがそっちにつこうとも、関係ない。お前の予知を覆す」

───────────交戦。


「…私、どっちに付けばいい?」

「フェルは、今どれ使ってる?」

「……元々持ってたトリガー…」

「分かった。なら、嵐山の方に行ってくれ」

「了解」


───────────
「嵐山隊、なぜ玉狛に協力する。近界民を排除するのがボーダーの責務だ」

「さあ、玉狛の事は迅に聞いてくれ。それに、近界民はすでにボーダー内に居るしな」

と嵐山はフェルミリアの頭をポンポンとした。

「…所詮は近界民。そいつも玉狛に寝返る。城戸司令の戦闘人形となっていたのは油断させるためだろう」

と三輪はなおもフェルミリアを睨みつける。

「お前が近界民を憎む理由は知っている。恨みを捨てろとか言う気はない。ただ、お前とは違うやり方で戦う人間もいるってことだ。
納得いかないなら迅に代わって俺たちが気が済むまで相手になるぞ」

「まあやるならさっさと始めようぜ。早くこっち片付けて太刀川さんに加勢しなきゃなんないからな。いやーフェルこっちにつくと思ってたしなー…まさかそっちにつくとは…攻撃しにくいんだけど…」

「私に勝つつもりなの?…そんなことも言ってられないようにしてあげるよ公平」

「ははっお前からそんなこと聞くなんてな〜」

と出水が両手にトリオンキューブを出す。
キランとマンションのベランダが光った。

「佐鳥、ダメ!まだ!」

チュィンッ

「なぁんちゃって、佐鳥見っけ」

「陽介、狙撃手を片付けろ」

「木虎!」

「カバーに入ります!」

ドゴンッ

「うおっ!?ちょっいきなり撃つことねぇだろ!?」

「油断した公平が悪い」

トンッと上空へ上がる。

「チッ…ちょこまかと…近界民が…!」

「お前ちょっとフェルにキツすぎ」

と出水が苦笑する。

「嵐山さん。当真、迅に弾当たらないからってこっちに来るよ」

「そうか…わかった」

その時、一閃の光が本部へ飛ぶ。

「! 誰か飛んだぞ。誰だ?」

「迅さんじゃないですよね?」

「黒トリガーには緊急脱出付いてないから違う…多分、風間隊の菊地原くんか歌川くん…だと思う…太刀川さんと風間さんがこんなに早く緊急脱出はしない…」

ドンッ

「また緊急脱出…今度誰だ!?」

「…どちらかだね」

「さすが迅。有言実行だな」

「ですね」

「俺たちも担当した分はきっちりこなすぞ」

「了解です」

「うん」

「こりゃマジで早く片付けないとやばいぞ三輪」

「わかっている!」


通常弾の撃ち合いに嵐山の炸裂弾。

「ていっ」

そしてフェルミリアと出水の変化弾に誘導弾。

「! 嵐山さん!鉛弾混じってる!」

出水の誘導弾の盾を時枝がするも混じった三輪の得意、鉛弾が盾を通過する。

「!」

「よしよし足が止まったな。シールドごと削り倒してやる」

と出水が弾を放つも嵐山は出水の背後を取る。

「出水後ろだ!」

「『テレポーター』か!」

時枝、嵐山の十字砲火に加勢として上からのフェルミリアの通常弾を出水に浴びせる。
どうにか盾で凌ぐも所々にトリオンが漏れる。

「阿吽の呼吸に…フェルの追い討ち…いってぇな…」
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