operation!

□プロローグ
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−午後11時

オペレーター長の部屋は未だに灯りがついていた。

コンコンッ

タイピング音とペン先が紙を走る音以外何も響かない室内にノックが響いた。

「はい」

パソコン画面から顔を上げずに奏は返事をし入室許可を出した。

ガチャ

「まだやっているのか奏」

部屋へ入ってきたのは、彼女の上司であり師匠である本部長・忍田 真史。

「!?し、忍田さん!?ま、まだ帰ってなかったんですか?」

忍田はそれを聞いて眉間にシワを寄せた。

「それは私のセリフだ。さっき言ったにも関わらずお前は・・・・」

と呆れたようにため息をつく。

「だってこの書類おわってないんだもん・・・」

と目を逸らし不満気な表情を浮かべる。

「いい加減休みなさい。そんな風に無理をさせるために、管理職になることを勧めたわけじゃないぞ。なにを焦ってるんだ。」

「・・・・何も焦ってなんてないです。これは私の仕事ですから。それにこれが終われば帰ります。」

そう言い切ると再び画面へ視線を固定し、タイピングを再開した。

「慶の事をお前も言えないな全く・・・
どこまでやった?」

と忍田は机の上の書類の束を無造作に数枚掴む。

「は、ちょっ忍田さん!?」

「元は私の下で裁いてた物もあるだろう。手伝う。その代わり、早く終わらせるぞ。」

「・・・・はーい。ありがとーございますぅー・・・」

既に手をつけている忍田の姿に、断ることができないと悟った奏は諦めて自身の現在やっている事に再度手をつけた。

その日、二人が部屋から退出し、灯りが数日ぶりに消されたのは午前を回った深夜であった。

彼女の手をつけていた書類の中に、極秘とされた封筒に封入され忍田へも見せられない内容とされ、城戸から渡された物が含まれていたことは彼女と城戸以外知る由もない。


序章


operation!

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