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照りつける太陽が反射し、光る水面。
足元の砂は熱され、とてもじゃないが普通に素足で歩くのは困難を極める。
「来たわよー!海!」
「きたぞ!うみ!」
とビーチパラソルやレジャーシートなど完璧に揃えられたベース(拠点)の前に仁王立ちする小南と陽太郎。
「小南、日焼け止めは塗らないのか」
「ぬ、塗るわよ!あっ!レイン!アンタも塗るのよ!肌真っ白なんだから!」
「その前に着替えに行くよ小南、レインちゃん、千佳ちゃん」
日焼け止めを持ったレイジに言われ、それを受け取るとビシッとレインを指さして言う。しかし宇佐美に言われいそいそと水着を持ち更衣室へ向かう。
手に持つ水着に少しだけレインが不満そうにするのは数日前に遡る。
──玉狛支部
「さぁて、レイン!水着を決めるわよ!」
「フフフー経費で何着か買ったからこの中から選んでね〜」
ニヤニヤとする2人に怪訝そうにしながらもそれを見るとギョッと目を疑った。
「み、水着って...こんなのほとんど下着じゃないの!」
真っ黒なビキニ、同じ型の白とレースのついた可愛らしいものもあるが全てビキニに変わりはない。
元々海水浴などの文化のない国の出身であり、水泳はトレーニングの一種であると認識する彼女には些か刺激が強いらしい。
「せーっかく迅もいるんだから!色気で別の面を見せるのよ!それに海なんだから多少はそのかっちりした服から開放的にならなきゃ!」
何でもないように言う小南に気後れするレインは嫌そうにそれらを手に取る。
そうして選ばれたのは───────
10分後、舞台は戻り海。
「お待たせー!さぁ!泳ぐわよ!」
「ふふーんっ大人の色気を見るがいい少年っ!」
「あれ、レインは?」
「そこよー。ほらレイン!早く来なさいよ!」
ゆっくり歩いてきたのは足こそは出ているもののパーカーを着たレインだった。
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