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「暑い…」
蝉が鳴き太陽は痛いくらいに地面を照らし、レインは思わずそう漏らした。
「夏だもんなー…レインの国はこんなに暑くなることないのか?」
「そうね…一年を通してずっと夏と秋の変わり目くらいの過ごしやすい気候だったわ 」
「そっかーじゃあこっちに来て四季にびっくりしたんじゃないか?」
「ええ。同じ場所なのに季節が変わるなんておかしいと思ったもの。調べたら四つの季節があるのは日本だけなのね」
「そうだなー…あっじゃあ」
海ってみたことあるか?
迅のその一言に顔を上げる。
「うみ?」
「そう海!」
「…ないわね…文献では見たけれど…」
「なら行ってみるか!」
突然の迅の提案に目を丸くするレイン。
「ええ?行けるの?」
「隣町にあるんだよ海水浴場!小南とかレイジさん達も誘ってさ!」
うーん…と少し考えるが好奇心が勝ったのか小さな声で
「行きたい…」
と迅の手を握り返した。
「よっし!あっ水着とかって持ってるか? 」
「?水着?いや、無いけど…」
「なら小南や宇佐美に任せるかーま、取り敢えず玉狛いくぞー」
繋いだ手を引き玉狛へ足を進める。
その度にレインのココロに罪悪感が積もる。
敵なのに、私は悪なのに、いずれ裏切るのに…と。