隣の席は

□第4話
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雨宮が俺を好きだと言った。

昨日はあの後すぐに雨宮とは別れたんだけど、びっくりしすぎて俺はどうやって家に帰ってきたのかわからないぐらい頭が混乱していた。今朝もその混乱はまだ消えていない。

だって、そうだろ…。

ずっと友達になりたかった雨宮と友達になれて。色んなことを知りながら段々仲良くなれて。
これからも友達として楽しくやっていくはずだったのに。

…っ。

俺のこと、す、好きっだって…っ。

駄目だっ、思い出すだけで顔から火が出そうだ。
好きだなんて誰からも言われたことがないから、嬉しくなかったわけではない。

でも…好きってどういう意味の好きなのかな。俺達男同士なのに。

普通に考えればからかわれただけのかと思う。
でもあの雨宮の真剣な瞳。俺だけを映した熱くて潤んだあの瞳。あれが冗談…?
し、しかも頬にキスまでされてしまったし。

雨宮にキスされた場所をそっと指でなぞるが、ボッと顔が熱くなってすぐに手を離した。

…っ、わからない。友達スキルも恋愛スキルもどちらもほぼ無い俺に取っては難しすぎる。

でも、もし雨宮が本気だったとしても俺には応えられそうにない。
雨宮のことは好きだけど、友達になれてすごく嬉しいけど…。
でもそれはきっと友達としてだから…。

せっかく友達になれたのに。

最後に雨宮はごめんと言った。
どういう意味だろう。からかってごめんってこと?
雨宮の切なそうな顔を思い出すと胸が痛い。
寛之にもこんなこと相談はできない。

あぁ、グルグル考えすぎてもうわからないや。

ねぇ、雨宮。なんで急にあんなこと言ったのさ。雨宮が何を考えているのかわからなくなったよ。

俺はお前とはこのまま普通の友達でいたいのに。友達ならずっと一緒にいられるのに。

「はぁ…」

俺は何度目かのため息をつくと、少し重い足取りで学校へと向かった。
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