薄桜鬼(現代・オリキャラ)

□壬生警察署 生活安全課10
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っ……ぐすっ…っく、ひっく……

ここはひみつの場所
ここならあのひと達も来ない
痛いことも、怖いこともない
でもあんまり遅くなると、ご飯をあげないって言われちゃうから、あと少しだけ……

ガサガサッー

『っ!!』

『お前、こんなところにいやがったのか…』

見つかっちゃった
この人…いや……
ちーちゃんやまぁ君もみんないやだって泣いていた
痛くて痛くて怖いって
なのにこの人はやめてくれないんだって
この人に連れていかれた子は、みんなお尻が痛いって苦しんでた
気持ち悪いって泣いてた
お熱が出て、下がらなくて、みんな苦しそうだった
まぁ君はもう起きなかった
ちぃちゃんはどこかに行っちゃった

『ひとりでこんなところにいたらいけないだろう?』

『………』

『でもなぁ…俺にはその方が都合がいいか?』

笑ってるのに、気持ち悪い
いやだ、いやだ、いやだ
怖い、逃げたい、もう…いやだ
叩かれたり、蹴られたり、お腹もすいて…もう、いやだよ

『お前は前から目をつけてたんだよ。他のガキよりも美人だからなぁ。』

触らないで
わたしの頬っぺた、触らないで…

『もう少し楽しみは後にしようかと思ってたけどよ、育てるってのもいいよなぁ。』

ボタンをどうして外すの?
いやだよ
わたしもみんなみたいにされるの?
いやっ!!いやっ!!

『おとなしくていい子だ。なに、痛いのは最初だけだぜ?そのうちお前から欲しがるようにしてやるよ。』

いや、いや、いや、いやっ!!!!
怖いよ
なんでおむね触るの?なめるの?
いやだよ、気持ち悪いよ…
やだ……


お願い…たすけ…










『やめなさい。』

『んぁ、何だーーっぅぐつ!!!!』









『ファイ、見つかったか?!』

金髪のお兄さん

『えぇ。』

栗色の髪のお兄さん

『おっと、こりゃゴミが一個増えたな。』

あの人がたおれてる
動かない

『まだ聞きたいことがあるので、あちらの物と纏めておいてください。』

『りょーかい!にしても、ここは特に悲惨だ。裏の焼場にまだ処理されてない子達がー』

『カイ殿、この子の前ではやめてください。お友達もきっといるはずですから。』

『あ…そうだな。じゃあ俺は、あっちの処理を進めるぜ。ーーよっと。


なぁ。ファイ、お前さんその子をどうするつもりだ?』

『テラ殿に相談しますけど、僕が育てたいと思います。』

『おっ、ついにお前さんも【子育て】する気になったのか?!』

『えぇ。』

『そうかいそうかい!そいつはめでたい話だぜ。まぁうちにもいるけどよ〜大変だが、悪くないもんだぜ。

じゃあ、また後でな。
お嬢ちゃんも、もう大丈夫だ。』

金髪のお兄さんが、あの人を連れてった。


『見つけるのが遅くなってしまってすいませんでした。』

『……、』

『あぁ……怖かったですよね…こんな……もう、大丈夫ですよ。』

お兄さんが毛布をくれた。
くるくると巻いてくれた
あったかい……あったかい……

『っふぇ………っぐすっ…ひっ…く』

『こんな酷いことが日常だったなんて……ごめんなさい。本当に、もっと早く君たちを助けてあげたかった。』

お兄さんも泣いてるの?
わたしが、ふいてあげるよ

『っ!!……あなたは、とてもやさしい子なんですね。大丈夫、僕は泣いていませんよ。


ねぇ、お嬢さん。ここにはもう怖いお兄さんもお姉さんもいません。ただ誰もいないから、あなたは別の所へ行かないといけない。』

『怖いところ、もういやだぁ……』

『そうですね。
僕も、怖いところは嫌いです。

だからね、僕と一緒に来ませんか?』

『お兄さんと?』

『えぇ。
大変なことはたくさんありますけど、あなたがこんな怖い目にあうことがないように、僕が絶対に守ります。』

『ほんと…?』

『えぇ、本当です。


あなたがいつかーーーーまで、僕が守ります。』

お兄さんの手、あったかい
抱っこ…嬉しい
高くて…すごい

『僕と一緒に、来てくれますか?』

わたし、このお兄さん、好き

『うん!』

お兄さん、嬉しそう
わたしも、嬉しい

『よかった……

そうだ、あなたの名前を聞かなくちゃいけない。僕に教えてください。』

『ゆきはな』

『ゆきはな…それが、あなたの名前ですか?』

『うん。』

『白く儚い結晶の花……あなたは肌が白いから、本当に雪のようですね…』

『お兄さんの名前は?』

『僕ですか…?そうですね…僕はたくさん名前があるんですけど…ファイ、と言います。』

『ふぁい?変な名前…』

『ふふっ…そうですね。

だから、あなたは僕をこう呼んでください。











【パパ】と。』
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