薄桜鬼(現代・オリキャラ)

□壬生警察署 生活安全課6
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「飲み会?」
「うん!一課の平助君が私達も一緒にって誘ってくれたの!」
ニコニコと話す千鶴ちゃんはすこぶる可愛い。
一課の飲み会に、私達もどうか?というお誘いらしい。
「それにね、平助君が言ってたんだけど…」
千鶴ちゃんは内緒話のように、手を当てて耳元へ近づく。
「山崎さんが、雪花ちゃんもぜひ、ってかなり希望してたみたいだよ。」
「……。」
「でも雪花ちゃんは彼氏さんがいるし、あんまりそういうのよくないよね?」
千鶴ちゃんは真剣に話してくれたけど、私にとっては架空の彼氏などどうでもよかった。

どういうつもり…?この間のランチといい……まさか、疑われてるの?!

山崎さんは、署内の人間の監察を担っていると聞いたことがある。
あくまでも噂の域を出ない話だが、彼ならばさぞかし優秀だろう。

『山崎って奴に近づけ。




安心しろ…パパにも一課のことは報告する。
うまくいけば、一課の動きを妨害してもらえるだろう。
だがそんな楽観視もしてられねぇ。
こっちからも動いていかねぇとな。』


カイにはあぁ言われたが、正直言って山崎さんはかなりの要注意人物だと感じていた。

あの人は…もしかしたら、私の正体にもう気づいてるの?

頭の奥で警鐘が鳴る。
近づくな、奴は危険だーと。

でも……何でだろう………近づくほどに、なぜか…懐かしさを覚えるのは……

「雪花ちゃん、どうする?」
黙り込んだ私の様子に、困っていると思った千鶴ちゃんが、心配そうに尋ねてきた。

悩んでいる暇はない…とにかく、今は山崎さんの狙いを知らなくては…

「大丈夫だよ。

それに、山崎さんは気を遣ってくれてるんじゃないかな。
千鶴ちゃんだけだと、他の娘に知られた時にやっかみにあうといけないし、私がいればカモフラージュになるだろうから。」
前髪に覆われた目元は見えないだろうけど、精一杯の笑顔をつくる。
千鶴ちゃんは私の言葉にハッとした様子を見せていたが、納得したらしかった。
「そっか…山崎さんは、知ってるからなぁ。
そうしたら、尚のこと雪花ちゃんー」
「いいの!私のことは気にしないで。飲み会くらいでダメになるほど、ヤワな付き合いじゃないんだから!」
「それは良かった。」

突然上から降ってきた、低い声ー
気配があることはわかってたー

「山崎さんっ!びっくりしました…」
千鶴ちゃんの素直な反応に、思わず吹き出しそうになる。
「驚かせてすまない。だが、君たちが2人で来てくれると俺も嬉しいからな。」
「千鶴ちゃんを守るためには、ですよね」
笑いをかみ殺しながら、独り言を言ったつもりだった。
が、山崎さんの耳にはしっかり届いたようだ。
「それは心外だな。

俺は……





キミのことこそ、守りたいのに
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