薄桜鬼(現代・オリキャラ)

□壬生警察署 生活安全課 2
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「千鶴ちゃんのお弁当って、いつも美味しそうだね。」
「そんな事ないよ。」
「あるよ。千鶴ちゃんの手料理が食べられる人が羨ましいなぁ。」
千鶴ちゃんのお弁当は小さめながら彩りが良くて、いつでもお嫁にいける、というのが私の感想だった。

「雪花ちゃんだってお料理上手なのに、どうしていつもおにぎりだけ……」
千鶴ちゃんが言いかけたその時、

「雪村、ここは空いているだろうか?」

(今日はこの2人か……)
一課の斎藤さんと、山崎さん。
千鶴ちゃんとお昼を食べていると、日替わりで一課の刑事達がやって来る。
当番制なのか?と言いたくなるくらい、彼らはマメだ。
心の中だけでため息をつくと、私は黙っておにぎりを食べ始めた。
「君はそれだけで足りるのか?」
珍しく山崎さんに話しかけられる。
私は彼を見ることなく、「問題ありません。」とだけ答えた。
見た目と同様愛想のない返事に、斎藤さんですら若干眉を顰めていたが、当の山崎さんは気にした様子もなく「そうか。」とだけ言って、私達の会話は終わった。

ボサボサ頭を後ろでひとつにまとめただけの髪型。
厚い前髪、分厚いメガネでいかにも暗そうな私が千鶴ちゃんと仲の良いことに、周囲はいつも驚いていたけれど、千鶴ちゃんに関しては、正直私にとっても例外だった。
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