b BLEACH

□いつのまにかの
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初めて会ったのは四番隊隊舎。
一護にやられた傷の治療中、やっと体を動かせるようになった時だ。
部屋の外から十一番隊であろう奴らの怒鳴り声と一緒にガシャンと物が落ちる音。
興味は無かったが体を動かしたいがために足音が遠くなってから扉を開けた。


「あ、ダメです、斑目三席、まだ動いちゃ…」


目が隠れる程の前髪とおさげ。
思ったのは引くくらい地味だということ。
落ちた物を拾うのも後回しに俺の体を部屋の中へ押し込んだ。


「ああ?動きてーから動いてんだよ」

「動きたくても動かないでください」


見た目に反する強い物言いに、されるがままベッドへ押し戻された。
予想以上に力も強い。
ギャップありすぎんだろ。


「今日から担当になりました、真滝明良です。よろしくお願いします」


そう言いながら頭を下げた後、黙々と包帯を取り替え始める。
目が隠れているせいで何を考えているかも全くわからない。
廊下に散らばってる物は放置でいいのかよ。おい。


「旅禍って、強かったですか?」


考えていたこととは全くかけ離れた問に、応えることを躊躇した。
どうしてわざわざ四番隊なんかに旅禍の情報を流す必要がある。


「てめーらにゃ関係ねえよ」


後方支援部隊の四番隊は第一線にある俺らの救護に務めればいい。
沈黙を壊すためのネタにしてはその情報は重すぎる。


「あたし、十一番隊が嫌いです」

「四番隊全員だろ。俺はお前らなんてどうでもいい連中だがな」


腹部に最後の包帯を巻き終えた後、ドスッと 傷に肘が入った。


「いっって、てめっ」

「そのどうでもいい連中に今治療されているのはあなたですよ、斑目三席」


失礼します、と部屋を出た直後、カチャカチャと響く音。
どうやら先程落とした物を拾っているらしい。
それと同時に、すすり泣く声が聞こえた。


「なんだ?あいつ」







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