本・獄都事変

□話は一区切りついた?
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名無しのside


いろいろな説明が終わり、部屋を出ようとしたとき。

肋角「あぁ、佐疫は少しいいか?」

ニンゲンさんだけ呼び止められた。
何だろう。
不思議に思いながらも、部屋から出た。


あの案内してくれたニンゲンさんは、佐疫さんというらしい。
そして、上司の肋角さん。

この二人は覚えた。

ここにはまたまだ獄卒なるヒトが、たくさんいるのだろう。
少なくとも、一人以上はいる。

あのとき家に来ていた、佐疫さんの片割れのヒトは、一体誰なのだろう。
ここにいるのだろうか。


と、ここでの生活について考える。

怖いヒトじゃなきゃいいな、とか、どんなヒトがいるのかな、とか。

けれど、それはただ現実が見たくないからで。


本心は、家に帰ったらどうなっているのか、ということでいっぱいだった。



___名無しのが、本心と建前の狭間で悶々としていて数分。

話が終わったらしい佐疫さんが出てきた。

佐疫「お待たせ。じゃあ、始めにどっちへ行こうか」

この館の案内か、自分の家に行くか、か。

……………どっちがいいんだろう。

名無しの『どちらでもいいです』
結局一番嫌な回答をしてしまった。

佐疫「んー……。じゃあ、始めに名無しのの家に行こうか」
名無しの『はい。ありがとうございます』

なんだか、余計な気を使わせてしまった気がする…。


いろいろなことにモヤモヤしたまま、出発した。
あと数時間でお昼になろう、という時間帯だった。
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