ANNIVERSARY

□鳴かぬ蛍が身を焦がす。
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ずっと、ご無沙汰で、そろそろ

しんぢが恋しくて、行っても良い?”

とメール連絡したのに・・・スルー。


頭に来た俺は、電話も掛けた・・・。

それも繋がらなかった・・・。


未だ嘗てないしんぢの態度に

頭に来て、悶々とした俺は、

翌日、打ち合わせで逢った時、

「昨日、何してたの?」

詰め寄ったのだが、それでも

飄々として

『えっ、何?どうした?』


「メールも電話もしたのに!」

その時、携帯をチェックして、

履歴確認したしんぢは、


「あ、ホントだ?ごめん・・

昨日は、早く寝てたんだ・・・

で、どうしたの?」

って、口角を上げて、

ワザとらしい態度。


(どうしたの?・・・って、

ご無沙汰なんだから・・・

理由言わなくても解るだろうが!)


それからの俺は、「もう、良い!!」

って仏頂面・・・。

仕事終わった途端、

荷物掴んで、飛び出した。


いつもなら・・・追いかけて来る

しんぢは、来なくて・・・

背中に感じたのは、

微かに、秋を感じる肌寒さだけ・・・


(なんで!?・・・コレで、終わり?

今までだったら・・・しんぢ、

俺が、拗ねただけで・・・

解ってくれたじゃん・・)

って、焦った・・・正直。


でも、付き合いが長ければ長いほど、

解ってる筈なのに・・・って、

引けなくなった俺。


それから、数日経っても、俺だけが、

苛立ってて、しんぢは、いつも通り・・・。

今までは、どんなに、喧嘩しても

どちらからともなく、

ごめんね・・だったのに。


堪りかねて、俺は、

久しぶりに、飲みに誘って、マオ君に、

相談したのだけど・・・。


「もう、終わりかな・・って・・」

っていう俺に、

マオ君は、クスクス笑ってる。


(はぁ!?何?)

って顔をした俺に、一言。


「しんぢはしんぢで、拗ねてて

二人ともまるで、

子供のような喧嘩してるなぁ〜」

って、最後は、大笑い。


(しんぢが拗ねてる???)


「えっ!?何、どうゆう事?」

って、聞くと、

「しんぢはさぁ・・・今まで、明希が

フラフラ遊んでても、恋しくなると、

帰ってくるの解ってるじゃん・・・

言わずもがなタイムリミットってか・・

言われなくてもさぁ・・・でも、

明希は、俺が黙ってても

解ってくれてるって、余り

感じられないんだよな・・とか、

悩んでてさ・・・俺のが、

惚れてんだろうけどさぁ・・・って。

で、俺が、たまには、拗ねて

シカトしてやれば?

って言ったら、まぢ、実践してさ、

今回、ワザと、シカトしてんだよ。」


「えっ!?どういう事???」


「しんぢはさぁ、ほんとに、

恋しかったら、連絡取れなくても

来てくれる・・・

って賭けてたのに・・・ってね。笑。

あきしこ、にぶちん過ぎ!

んじゃ、マオにゃんがヒント上げましょ。

恋に焦がれて鳴く蝉よりも

鳴かぬ蛍が身を焦がす”って奴。

ちょっと考えてみなよ・・・笑

ま、お前ら別れても、仕事だけは、

割り切ってくれんなら、俺は、どうこう

言わんしさ・・後は、勝手にしてよ!」
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