☆OTHERS (別CP)

□LIKE よりも LOVEで・・
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「ゆうや・・・泊めて〜」


けたたましい着メロは、明希の発信だと

示していて、既に、ベッドに入ってた俺は、

暫く、スルーしようか?

と思いつつも、ちょっと心配に成って、

携帯の応対に出ると、

いきなり発してきたのが、

冒頭のセリフ・・・。

(おい、こら!俺の都合は、無視かい?笑)

とは、思ったのだが・・・


明希の様子は、いつもとは、違った。

「なんだよ・・・こんな時間に・・

どうしたんだよ?酔ってんの?」


時計を半分薄目で、確認したら、

午前2時だった・・・。


「ううん・・ちょっとしか、

飲んでない・・・」

余りに、暗く沈んだ声で、心配になった俺は、


「んじゃ、起きて待ってっから、来いよ!」

と電話を切った。


5分も掛からずで、インターフォンが、明希の

来訪を知らせ、慌ててドアを開けた。


「おう!どうしたの?」と聞くが、

俯いたままの明希は、何も言わずに、

靴を脱ぎ捨てると

黙ったまま、ドカドカとリヴィングに入り、

ソファーの上で、三角座りを決め込んだ。


(おいおい、イイ女なら、脱いだ靴は、

揃えろって、言ってたあんた・・・

揃えてねぇじゃん!と、

言っても明希ちゃんは、女じゃないか?と、

一人ボケ突っ込みしてるのは、

胸の内だけね。。笑)


「飲んだ後だよな?

んじゃ、水で、良いかぁ?」

と、冷蔵庫を開けながら、声を掛けた。


キッチンカウンターから、覗くと、

ソファーで、丸まって座る明希が、微かに、

項垂れた頭をコクリと動かしたのを確認し、

ペットボトルを2本抱え、横に座る。


「ん?・・・で、どした?今夜、

しんぢと飲んでたんだろ?」

とミネラルウォーターを差し出す。


(・・・・)

しばしの沈黙の中、カチッとペットボトルを

開けた後、チビリと一口、水を口にして、

明希が小声で、呟いた。


「・・・れた・・っ・・・」

「えっ!?」

「し・・・んぢさんに・・・振られた・・」

そういうと、明希は、号泣しだした。


(い、いやいやいや・・・明希が、しんぢに、

片思いしてたのも、今夜、しんぢに誘われて

嬉しそうに、一緒に、飲みに行ったのも

知ってっけど・・

い、きなり、振られた?って・・・

どいうこと?なんて、びっくりしたのだが、

その後の明希の号泣が、あまりにも、凄くて

女子か?ってか、子供っぽくて、

驚いた俺・・・)


子供の様に、両手の甲を目に当てて、

「うわぁ〜ん!!!」

と泣き続ける明希の頭を俺は、為す術もなく

泣きやむまで、撫で続けた。


泣き過ぎて、しゃっくりし出した

明希を落ち着かせるように、

背中を摩りながら、

「そっか・・・頑張ったんだな・・

俺なんて、未だに、マオ君に、思いも

告げられないのに・・・偉いな!明希は・・

でも、ほんとに、決定的に、振られたのか?」

と、聞いてみる。


顔を横に振った明希が、

「・・・答え聞かずに、っく・・・

逃げてきた・・・ヒック・・」


「えぇ〜!?んじゃ、振られたか?

まだ、解んないじゃん!笑」


それでも、ブンブン首を横に振った明希が、

しゃっくりをしながら、続けた。


「だ・・って・・ヒック・・・

飲んでたところで、

し、しんぢさん・・・ヒック・・・

知り合いの・・ック・・女のひ・・

ック・・会って・・話してて・・ヒック

嬉しそ・・に・・ヒック・・・メアド・・

交換・・してたも・・ヒック・」


必死に、しゃっくりしながら、ちらちらと

上目気味で、俺を伺いながら、

話す明希が、可愛くて

・・・話し方も内容も子供染みてて、

思わず、笑いそうになったが、怒られそうで、

必死に笑いを堪えて、耳を傾け続ける。


「で、でもさ・・まだ、わかんねぇじゃん!」


「ん・・でも、も、良い・・・

しんぢさん・・ノンケだし・・

も、諦めるよ・・・」


落着きを取り戻したのか?しゃっくりも

止まってて、ゆっくり話し出した明希は、

水を流し込んで、

「後先に成ったけど・・・ゆうや、

起こしちゃって、ごめんね・・」

と、精一杯笑って見せた明希に

俺は、胸が詰まりそうになった・・・。
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