グリーディング
□白昼悪夢
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閉じ込めろ エレベーター 逃さない 非常口
眠りゆく デパート
ただひとつ 取り残された手
走る 走る 走る 走るんだ
忘れようという まっすぐな決意で
今まで何とも思っていなかった
初めて 逃げることを軽蔑した
囲うな リビング 言いなりの テレビ
重なるインスタント麺
ただひとつふるえない目
他人の痛みに触れてたはず
なぜ内側を撫でてるんだろう
“祈らなくていい。
しようもないことに 喚かなければいい。”
騒がない コップ ボトルの水
湧き出る 溢れる 湧き出るのさ
抑えようという 思いつきで
しっかりと生きてくことさえも
今は 逃げることに思えてしまう
走る 走る 走る 走るのは
逃げないためにも なんて バカバカしい
今まで何とも思わなかった
初めて 泣くことを嫌った
“痛くなんか無い。
下手に動こうと しなければ、な。”
そっか。どうりで痛いわけだ。