ハイキュー
□うわさ
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「大地さんに彼女がいるってマジすか!?」
「しかも年上って!!」
声を揃えて言うこの2年コンビは、本当に似た者同士だ
どうやらクラスの女子たちが話しているのを聞いたらしい
「あー…大地に聞いてみるといいべ?」
そう答える菅原と東峰に、さらに詰め寄る
「聞けないから2人に聞いてるんすよ!」
で、どうなんすか!と鼻息を荒くする後輩に、顔を見合わせて苦笑いした
「まあ、俺らも高校生だし彼女くらいいても問題ないだろ?」
はっきりしない返事に納得のいかない様子の2人だったが、澤村が部室に入ってくるのが見えて慌てて話をやめた
「何の話してたんだ?」
「いや、何でもないっす!」
大袈裟に首を横に振る2人を不審に思いながらも、澤村はそこまで気に留めず着替え始めた
「…あれ、大地さんそれどうしたんすか?」
西谷が澤村の背中を指差し、その場にいた部員たちの視線が集まる
「ん?何かついてるか?」
確かめるように自分の背中を触る
触っただけではよくわからず部室にある鏡越しに見てみると、そこに映ったのは小さい引っ掻き傷のようなものだった
それを見た瞬間澤村の顔色がサッと青くなる
慌ててそれを隠すと、恐る恐る部員たちの顔を見た
驚いて口を開けている者、赤面している者、何のことかわからずにいる者
様々だったが、澤村は頭を抱えた
「…すまん、今見たのは忘れてくれ」
そう言い残して部室からそそくさと出て行った
(やることやってるんだな、大地も)
(さすが大地さん、大人だ…!)
(…え、え!?何すか今の!?)