戦姫(キングダム)
□ロンドE
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その後も白は順調に城を落としていった。白麾下の兵士達は秦国の中でも屈指の精鋭部隊となっていた。
白軍の機動力は高く、各隊の絆は強固だった。これは、彼らが抱く白への忠誠心の厚さを如実に表している。
だが、白軍には他の五大将軍の軍と異なる点がある。
この軍には歩兵がいない。騎兵しかいないのだ。それは、白の私兵中に匈奴や山民族が多くいるために為せている。
しかも全兵が白と運命を共にする気構えでいるため、戦場においては決して相手にしたくない程の苛烈さを持っている。
白「とうとう30個目の城か。」
そう、白はたった二月で29の城を落としたのだ。あり得ない話ではあるが、実際にやってのけた。これには五大将軍や昭王も冷や汗をかいた。しかも投降した敵兵や敵将が、投降した次の日に心から白に忠誠を誓って私兵となっている。
それにより、白の規模、多様性は大きくなった。
秦人がいると思えば、趙の者、燕の者、魏の者がいるといった感じだ。
現代人もびっくりの超多国籍軍である。
そして彼らは“白”に対して鉄の忠誠を誓っているため、決して叛乱・裏切りは起こさない。
そうしてここまで来た。
その前夜・・・
白「明日で30個目。あと何個落としたら大将軍になれるんだろう。」
昭王「次の一個だ。」
白「大王様!」
昭王「止めよ止めよ。儂はじいちゃんと呼んでもらいたいのだがなぁ。」
白「なりません。私は大王様の臣下。そのように軽々しくお呼びすることはできません。」
昭王「ならば命令じゃ。」
白「承知しました。」