戦姫(キングダム)
□ロンドC
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〜王都・咸陽〜
とうとう白が咸陽に呼び出された。五人の大将軍も全員集まり、列席している。
これには訳がある。
大将軍達が咸陽へと向かうために敵軍と一時的に和平を結ぼうと考えていた時、敵軍の方から和平の申し出があったのだ。
無論、どの国の軍も不意打ちをするつもりは全くない。すればどうなるかなどわかりきっているからだ。
白は、今日の為にと司馬錯が贈った鎧とマントを身につけ、式典に臨んだ。
その姿に、義父である司馬錯は勿論のこと、大将軍全員が感じ入った表情をしていた。特に司馬錯は。
胡傷「立派になったものだ。始めの頃は司馬錯の後ろを雛鳥のようについて歩いていた童が。」
王騎「しかし、寂しくなりますね。まだ娘になってもらっていないのに。」
王齕「白は司馬錯の娘であろうが。義理の、ではあるがな。」
白起「だが、根底のところは変わらぬだろう。加えて言えば、今後の白は表向きには五千人将として扱われるそうだ。まだまだ機会はあろうよ。」
司馬「そこは私も聞いている。我ら五大将軍の元にいる時は五千人将、単独の時は将軍として動くことになる。だが、白をお前にやるつもりはないぞ、王騎よ。」
王騎「いいえ。いつかいただきます。」
胡傷「そのようなことをしてみよ、王騎。中華全土の将軍が怒り狂うぞ。特に、趙国の廉頗がな。」
白起「聞けば、毎度毎度白が出れば趙国では必ず廉頗が、魏では霊凰が出てくるそうではないか。」
王齕「む。終わったようだな。」
だが、白の姿が見えない。
白「義父上ーー!!」
司馬「うおっ!」
突然抱きついてきた白に、流石の司馬錯も体勢を崩した。
白起「言った通りだろう?」
胡傷「うむ。」
王騎「私にも抱きついてくれないのですか?」
白「・・・。」
白は司馬錯さら離れ、王騎の方へと歩き出した。
しかし、王騎の横をすり抜けて白起に抱きついた。
王騎「え?」
王騎「何故ですか、白。」
白「嫌です。」
王齕「何故だ?」
白「だって、」
五人「?」
白「王騎さんは私が廉頗さんや霊凰さんに攫われかけても助けてくれないんだもん。だけど白起さんはそうなる前に守ってくれる。だから。」
四人「💢」
王騎「あ、いや、」
白起「ほう。王騎よ、少しこちらへ来い。話がある。」
王騎「わかりました。」