戦姫(キングダム)
□ロンドB
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白「では、司馬錯様。陥して来ます。」
司馬「ああ。行って来い。」
白が司馬錯に拝手して前線へ行った暫くの後、周囲の兵がざわめいた。
昭王のお出ましだ。本当に来たと司馬錯は拝手しつつ顔を苦くした。
昭王「司馬錯よ。白はどこじゃ?」
司馬「白は既に前線へと向かってしまいました。ご覧になりますか?」
昭王「うむ。」
白「雷。合図を。」
雷「は。」
雷の合図と共に大量の矢が放たれ、井闌車が前進した。無駄が一切ない規律のとれた動きである。これには昭王も感嘆した。
昭王「ここまで成長するとはのう。」
すると、昭王は周囲の人払いを命じた。
司馬「大王?」
昭王「司馬錯よ。儂は、そろそろ白を将軍に任命しようと考えておる。」
司馬「!将軍に、ですか?」
昭王「うむ。あの者の戦の才は大軍を率いることで更に花開くであろう。本当のところを言うならば大将軍に任命したかったが、他の六将が譲らなんだ。特に白起と王騎がな。」
司馬(二人共、感謝する。)
昭王「そして万歩譲って将軍じゃ。」
司馬(どこが万歩譲っただ。三歩しか譲ってないぞ。)
昭王「そこでの、司馬錯。大将軍に任命するのは将軍になった後に城を30陥したらということにした。その際に、白には戦争の自由の他に干渉の自由を与えようと考えておる。」
司馬「干渉の自由?」
昭王「そうだ。いつどこでも自由に戦に干渉できるというものじゃ。今は六将といえども他の戦に無断で加わることは禁じられている。しかしそれを許すつもりなのだ。」
司馬「なっ?!」
昭王「白ならば加わる必要があるかないかの正しい判断ができよう。あの者はこうすることで更に大きく高く羽ばたくとみた。そして、後には秦国を救うことにも繋がろう。」
司馬「秦を、救う・・・?」