お話し
□目撃な話
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マネージャーから預かったBASTARZの番組で使う書類を届けにユグの部屋を訪れたのだが、何の気なしにノブを回すとかすかに開いたドアの隙間からユグの声が聞こえた。
「・・・ン・・・」
いつもとは違う声色にハッと気付いたところで時すでに遅く、前のめりに踏み出した一歩を止めることは出来なかった。
反射的に声のした方を見て息を飲む。
上気した頬と薄く開いた唇から艶かしく覗く舌。捲り上げられた服の下から晒された胸の突起は刺激を受けぷっくりと立ち上がっていた。柔らかく閉じられた目尻には恥じらいの涙を滲ませ、ゆっくりと開かれる目は焦点が合わぬままとろりとこちらに視線を運ぶ。
それらが見えたのは一瞬で、ジコによってそれとなくかつ迅速に隠されてしまった。
「何?」
さっとユグの前に立ち自分の体で俺の視界を遮る。二人の関係は気付いていたが思慮が浅かったと慌てて視線を外すが、衝撃の映像に自分が何をしに来たのか等吹き飛んでしまった。こちらに近付いて来られればジコのGパンの膨らみが俯いていた視界に入り更に目のやり場に困る。
「ユグに?」
出た名前に先程の姿が蘇りカッと顔が熱くなった。持っていた書類を取り上げられ、それに気を取られたジコの視線から解放されると無意識に目はユグを追う。
突然パチンと目の前で指を鳴らされ、ハッとして恐る恐るジコを見上げた。
「ダメだ。」
ニヤリと笑う顔は嫉妬もなくむしろ誇らしげに、獲物を前にギラギラと雄の欲情を孕ませていてゾワリと全身総毛立った。
いつの間にか部屋の外に押し出されバタンとドアを締められる。
鼓動がドキドキと耳に痛い。ふと見ると自身が熱を持っているのに気が付いた。どちらに興奮したのかは自分でも分からなかった。
END
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