続・奇妙な学園

□なんて日だ!
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「いい加減止まりやがれッ!」


『嫌ですよ!止まったら先輩私を捕まえるつもりでしょ!』


「当たり前だ!」


こんにちは、今日も今日とて承太郎に追いかけられているえりです。

.....ふざけんな!何が楽しくて承太郎と鬼ごっこしなくちゃならないんだよ!
とりあえず週一以上のペースで追いかけられてる気がする。もう本当にやだ。


『んべっ!』


あまりにも急いでいたせいか、自分の足に引っかかって転んでしまった。
早く承太郎から逃げなきゃいけないのに!痛いし怖いしもう泣きそうだよ!


「オイ。」


ひっ!こ、この声は.....!

恐る恐る振り向くと、やはりそこには承太郎がいた。ああ、短い人生だったなぁ.....。


「ホラよ。」


そういって承太郎は私に手を差し延べた。
......ん?何事?私承太郎に渡すようなもの何も持ってないんだが。


「チッ....掴まれって言ってんだ。」


承太郎は若干イラつきながらそういった。

あ、立ち上がらせてくれるのか。承太郎さんにも女の子に手を差し延べるっていう優しさあったんですね。


『ありがとうございます。』


お礼をいい、承太郎の手を借り立ち上がった。

別に一人でも立てるんだけど、まぁ人の行為を無下にするのもなんだし....。
まぁ立ち上がったからもう走って逃げるんだけどね!


『.....空条先輩?もう離してくれても大丈夫ですよ?というか離してください。』


立ち上がったが、何故か承太郎が手を離してくれない。
どういうことだ!これじゃ逃げられないじゃないか!


「離したらテメー逃げるつもりだろ。」


何故バレているんだ。


『ま、まっさかー!逃げるわけないじゃないですか!』


「信用ならねぇ。」


ですよねー。今まで何度も騙しまくってるのに信用されるわけないよね。仕方ない、諦めよう。


.....手を離してくれない理由はわかった。だが手を掴むことはないんじゃないかな?
手を掴む、といえば何ともないように聞こえるが、立ち上がる時に掴んだため、はたから見ると手を握っているように見える。


「さぁ、洗いざらい吐いてもらおうじゃねえか。」


あっ、手を握っているように見えるとかそんなん気にしてる場合じゃなかった。
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