短編
□古橋の場合
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花宮はもう詰め寄って来ないし、どうやら落ち着いたらしい。
てか、なんで花宮怒ったの?本気で分からないんだけど。
「紛らわしいんだよ、バァカ!」
『いったぁ!!なんで私なの!?悪いの原ちゃんじゃん!』
「うるせぇ!」
理不尽!
原ちゃんは私たちのこと指差して笑ってる。アイツだけは絶対に許さない。ムカついたからとりあえず蹴っておいた。
…さて、康次郎をどうしようか。いい加減腕が痺れてきた。
『花宮、康次郎抱っこしてみてよ。』
「は?なんで俺が…。」
『ほら、康次郎も花宮に抱っこされたいみたいだよ!』
花宮に抱っこさせようとしたら康次郎の目がなんか輝いた。そんなに花宮が好きなのか。なんか悲しい。
「…チッ、貸せよ。」
『うん!』
花宮に康次郎を渡す。あ、花宮意外と抱くの上手い。子供嫌いそうだしこういうの苦手だと思ってた。それとも花宮が優秀だから簡単に出来るのだろうか…。もしそうなら是非とも爆ぜてほしい。
『良かったねー、康次郎。』
なんだか嬉しそうな康次郎のほっぺたをつつく。私の指を掴まえる康次郎可愛い。
「なんか夫婦みたいだね。」
ふ、夫婦!?誰だ夫婦とか言い出した奴は!そう思って声の聞こえた方を見ると瀬戸が立っていた。いつの間に来たんだ。
「なんで俺がこんな奴と結婚しなきゃいけないんだよ!」
花宮が瀬戸に向かってそう言う。ここまで全力否定されるとは思ってなかった。まぁこんなんで傷つくほど弱くないけどね!
『私は花宮でも構わないけどねー。』
「…は?」
『てか、このメンバーの中だと原ちゃん以外なら誰でもいいや。……って痛い痛い!!なんで!?なんで私攻撃されてんの!?』
また花宮に頭を握り潰されている。原ちゃんがやるならまだしも!なんで花宮にやられなきゃいけないのさ!!痛い!てか片手に康次郎持ちながらやるとか花宮器用すぎでしょ!
原ちゃんは「俺を外すとか名無し見る目なーい。」とか言いながら笑ってる。だって原ちゃん普通に浮気とかしそうだし。
「…たくっ、返す。」
康次郎返された。返すって言っても別に私の子供じゃないんだけど…。