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□華 08
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「名前、この前はほんとごめん!酔っちゃってあんたのことフォローできなくて・・・」
「いいよ、気にしないで。私もちゃんと拒否できなかったのが悪いし・・・」
週明け、大学で蓉子を見つけ声をかけると勢い良く頭を下げられた。
榊くんのことを聞いて申し訳ないと思ったらしい。
「ごめんね・・・
でも、名前の彼氏また助けてくれたんだって?榊がショック受けてた。」
「う、うん・・・嬉しかった・・・」
「ほんとに好きなのね、あんたのことが。」
その言葉を聞いて顔が赤くなる。
蓉子はというとニヤニヤしながら私の表情をおもしろがっている。
「ま、榊も懲りたみたいだし、大丈夫でしょ。
で、今日はいつもよりかわいい格好してるけど、デート?」
今日は、前に買い物で名前さんにイイねと言われたワンピースに、いつものネックレスをつけてきた。
「う、うん・・・そろそろ迎えに来てくれるの。」
「そう、楽しんどいで!」
手を振る蓉子と別れて大学前で待っていると、名前さんの車が停まった。
助手席の扉を開けると、仕事帰りでスーツを着た名前さんが運転席にいた。
「お疲れ様です、お迎えありがとうございます!」
「待たせてごめんね、名前ちゃんもお疲れ様。」
挨拶もそこそこに、車は走り出した。