夢
□どれだけ大きな声で叫んだら、
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どれだけ大きな声で叫んだら、
貴方に届くのでしょう。
街中で名前を呼んでみても、振り返る人の中に貴方は居ない。
貴方と出会った場所に行ってみても、貴方は居ない。
電話を掛けても、貴方は出ない。
夜遅くまで待ってみても、貴方は帰らない。
隣を見ても、もちろん貴方は居ない。
いつからですか?
貴方が私の前から姿を消したのは。
どうしてでしたか?
貴方が私の前から姿を消したのは。
...と、とぼけてみても、嫌でも記憶から消えてくれません。
2年前の、寒い冬の日。
私の冷えた手を最後に握って、優しい終わり方でした。
だからこそ、こうして未練がましく探している。
優しい終わり方じゃ、まだ...なんて期待してしまう。
どうせなら、冷たく突き放してほしかった。
それが貴方の良いところ...なんだけれど。
貴方の名前を呟いてみても、もちろん貴方は気付かない。
貴方は、日和は、私を忘れて新しい恋をしているのかな...
また、この季節がやってきました。
寒い冬は、貴方と手を繋ぎたい。
貴方のとなりで、眠りたい...
ねぇ、
どれだけ大きな声で叫んだら、
貴方に届くのでしょう。