お話

□悪魔くんの純情 3
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「…うまい!」
「そ、そうか…」

俺の一言にガルはホッとしたような顔をした。味噌汁もすする。

「味噌汁も出汁がきいてて美味しいよ。おひたしも茹で加減いいね」
「そうか…」
「ガルは将来いいお嫁さんになれるなぁ」
「だ、誰がお嫁さんだ!俺は男だっ」

こういう賑やかなのもいいなぁ…、なんて思いながら俺は食事を進める。

「いや、でもほんとに嬉しいな。ガルが来てくれるなんて。昨日来てくれなかったから寂しかったよ俺」
「べ、別に来るか来ないか決めるのは俺だ」
「まぁそうなんだけどさ。昨日きてくれてもよかったのに」
「…、俺にもいろいろあるんだ」
「…ふーん?」

昨日の夜は仕事とかあったのかな、とか考えたが深くは聞かなかった。



「ごちそうさま」

楽しい食事が終わり、使い終わった食器を片付ける。俺はちょっと気になることをガルに聞いた。

「ガルさ、今日これから用事とかあるの?」
「…いや、」
「じゃあまだ悪魔界に帰らないでいてよ。ゆっくりしようよ」


ソファーに腰掛け、ガルを隣に座らせる。テレビをつけ、適当にチャンネルを回した。

「……」

そのまま密着し、ガルの背中に生える黒い羽を撫でる俺。正直バラエティ番組がどうとかよりも目の前の悪魔を見つめている方が全然楽しい。

「あ、あんまり見るなっ。あとベタベタ触るな!」

肩に回していた手を跳ねられてしまった。

「冷たいなぁまったく」

そう言って身体を別の方向に向けると同時に、俺は部屋の隅に隠すように置いてある、雑誌のような本を見つけた。

「ん?あの雑誌…」

(あんな本あったっけ…?)

俺はその本を手に取りに行く。

「……、!それはっ」

俺の目線の先に気付いたガルは俺を止めようとする。
だが俺の方が早く、不思議に思いながらもその本を手に取った。

「『はじめての晩ごはん』…?」
「…っ」

途端にガルの顏がボッと赤くなる。

「ガル、これ買ったの…?」
「…しっ知らん!み、道に落ちてたんだっ」
「……」

本をよく見てみる。どう見たって傷一つない新品だ。真っ赤な顔でシラを切ろうとするガルが可愛い。

(おまけに背表紙のバーコードの部分、書店のテープ貼ってある)

「…落ちてたんだ。コレ」
「だからそうだと言っている!」

(俺のためにわざわざ料理本まで買っちゃって…)

そう考えたらものすごくガルが愛おしく思えてきた。俺はガルを羽ごと抱きしめる。首筋に顔をうずめた。

「なぁ、昨日来なかったのってもしかして料理勉強してたから?」
「…っ」

ガルは言い返せないというように言葉を詰まらせる。それを見て俺はガルの首筋にぐりぐり頭を押し付けた。

「はぁ、ホントに好きになっちゃいそう…」
「…ぇ」
「ガルが俺のお嫁さんだったらいいのに。来て。」
「、ちょっ、けいすけ」

俺は強引にガルの手を引いて、寝室に向かった。


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「ガル…」

ベットに戸惑うガルを押し倒し、ちゅっちゅっと髪やおでこにキスを落とす。

「舌出して」
「…は、」
「ほら。いいから」
「……」

控えめに赤い舌を出すガル。俺はそれを自分の舌で絡め取った。

くちゅ、ちゅ…

「ふ…ぅ…」
「…、ガル…」

キスをしながら服の中に手を入れ腹を撫でると、ガルは小さく身体をはねさせた。

男同士は今まで経験がないけれど、どこを使うかなどという知識は一応ある。ガルって尻でもシたことあるのかなぁ。経験済みか…?でもモテそうだからあったりするかもなぁ。

「ガルってさ、セックスしたことある?」
「………」

聞くと、ふてくされたような顔でふいっと顔を背けられてしまった。
そこで俺は思い出す。

(そういえば、ガルってキスもした事なかったって…)

ましてやえっちなんてしたことないだろう。

「ガル可愛い」
「か、可愛くなんか…っ」

右手でガルの髪を両手で悪魔を愛でる。左手はガルの右頬を撫でた。
片手をそのままズボンのファスナーまで下げる。ジジ…とそこを開け、俺はガルのパンツの中に手を差し込む。

「ふふ、ガル…、少し硬くなってきてるよ。…キス悦かった?」
「だっ黙れ!いいわけ無いだろ!」

そう言いながらガルは手の甲で唇をぬぐった。
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