たわごと

□キュトクな人
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「もう歩けない」

「お前いー加減にしろよ」

「おんぶ…」

「無理!この山道延々と歩いてへとへとなアラサーに向かってなにほざいてんだっ!!みよ!この汗を!」

「む…」

「む、じゃねぇ。おんぶはむーりー!ほら、さっさと歩く!」

「絶対間に合わないし、もう歩けないし。足痛いし。間に合わないし。」

「まだ間に合う!大体誰のせいで。」

ここは山の中
PV撮影でやってきたのだが、いまは二人。
さっきまではワイワイしてたのが嘘のよう。
辺りに人影は無いし、鳥の声と木々のザワメキしか聞こえてこない。

それもこれもこいつのせいなのにっ!

「キュヒョン!ちゃんと歩け!追い付かなくなるぞ。」

「追い付くわけないっしょ。つーか皆気づいてないんじゃないの?」

気づかないわけないだろ、リーダーがいないんだ。
みんな大騒ぎしてるはず。
早く安心させてやらなければ!

「ヒョン、どーしてスマホ持って歩かないんですか?お爺ちゃんみたい。」

「うるせぇ!お前のが充電切れてなきゃ連絡とれたのに!」

「だってゲームしたら充電終わっちゃったんだもん。」

「だもんじゃない!ばか!ばか!」

「ばかじゃありません。ヒョンより賢いです。その証拠に…」

「うるさい、うるさーい!」

「ヒョンがうるさいんですけど。」

!!このバカマンネ!

『ご飯どこ行くー?』

『肉ー!』

『俺いらないー。』

『ダメでしょ!ダイエット中でも何か口にしなきゃー。』

『あれ、皆いるよね?』

『いるよぉ。』

『はは、こんだけ多いとわかんなくなるよなー!』


「おんぶ…」

「おんぶは無理!」

「じゃあ、膝枕。」

「お前なー…五分だけだぞ。」

「わーい!」

『あれ、やっぱ足りなくね?』
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