月に祈りを

□邂逅
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「今日は瀧本は休みだ」
野太い声が、教室に響く。
今は陽花の通う、私立大国学園高等学校で、ホームルームが行われていた。
「えー先生、陽花、風邪?」
甲高い声が、呑気に問う。
その質問に対し、教師は「家庭の事情だ」と濁し、早々に次の話題へ変える。
その様子を青年――夜神月は、退屈そうに見つめていた。
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