FAIRYTAIL
□届け あの空に
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「今からあの月を破壊する。そして皆を元に戻そう」
エルザはそう言ってナツを連れて見張り台に登っていく。
「エルザ、月を壊すならあの遺跡の方がいいんじゃね?ここより高いし」
「十分だ。それに遺跡へは村人は近づけんからな」
上の方でそんな会話がされとる。
「月を・・壊すって・・・・さすがのエルザでもそれは無理・・だよな」
「そこは即答しいや」
村人たちは月が破壊されるところを今か今かと楽しみに待っとって、ウチらは色んな意味でドキドキしとる。
「この鎧は巨人の鎧。投擲力を上げる効果を持つ。そしてこの槍は闇を退けし破邪の槍」
「それをぶん投げて月を壊すのか!!!うおおっ!!!すっげ!!!」
うん、普通に考えて無理やな。
「しかしそれだけではあそこまでは届かんだろう。だからおまえの火力でブーストさせたい」
「?」
「石突きを思いっきり殴るんだ。巨人の鎧の投擲力とおまえの火力を合わせて月を壊す」
「おし!!!わかった!!!」
エルザの説明にナツはウキウキしながらグッと拳を握りしめる。
「二人とも何であんなにノリノリなんだよ・・・・」
「まさか本当に月が壊れたりしないよね・・」
「流石にそれはないやろ」
多分。
そしてついにエルザが槍を投げるモーションを取る。
ナツはそれに合わせて石突きを思い切り殴った。
「届けェェえええええっ!!!!」
エルザの投げた槍は見事に紫の月に直撃した。
紫の月はピキピキィと音を立ててひびが入り、パキィィィィンと薄い膜が壊れていった。