FAIRYTAIL
□月の雫(ムーンドリップ)
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「オマエの師匠が封じた悪魔だァ?」
「ああ・・・・間違いねえ」
デリオラっちゅー悪魔から目を逸らさずにグレイは言う。
「元々北の大陸にあったものがここに運ばれた?」
「もしかして島の呪いってこの悪魔の影響なのかしらね」
「考えられなくもねえ。この悪魔はまだ生きてるんだしな」
氷漬けにされても生きとるって、大した生命力やな。
それにウルって人がこのデリオラを封じれたっちゅうんも、中々凄い事やな。
「火の魔導士がこれに近づくんじゃねえ。氷が解けてデリオラが動き出したら誰にも止められねえんだぞ」
「そんなに簡単に溶けちまうものなのかよ!!!」
「!!!・・・・・・・・いや・・・・」
恐怖で頭いっぱいなって、正常な判断ができんくなってきとるな、グレイ。
「師匠はこの悪魔に絶対氷結 (アイスドシェル)っつー魔法をかけた」
「!!?」
絶対氷結やて?
あの魔法は溶ける事のない氷やけど、その代償に・・・・・・
「溶かせないと知っててなぜこれを持ち出した・・・・?」
「知らないのかもね。何とかして溶かそうとしてるのかも」
「何の為にだよっ!!!」
「し・・・・知りませんけど・・・・」
「ルーシィにあたるなや、阿呆」
「ちっ」
舌打ちをしてデリオラが何故ここにあるのか、目的は何のかを考えるグレイに、ナツは単純にさっきの奴等を追いかけるという。
が、グレイが待ったをかけた。
「月が出るまで待つ」
「月・・・・ってまだ昼だぞ!!!無理無理!!!ヒマ死ぬ!!!」
「グレイ、どういう事?」
「島の呪いもデリオラもすべては“月”に関係してると思えてならねえ。奴等も〔もうすぐ月の光が集まる〕とか言ってたしな」
「確かに、アイツらが何してんのかは気になんな」
「オレは無理だ!!!追いかける!!!」