FAIRYTAIL
□デリオラ
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泊まる場所を提供してもらって、ウチらはそこで寝る準備をしとった。
「見れば見るほど不気味な月だね」
ハッピーが月を窓から見ながら言う。
「それにしてもまいったな」
「さすがに月を壊せってのはな・・」
「うん・・」
「何発殴れば壊れるか見当もつかねえ」
「壊す気かいな」
月なんか壊せるわけないやろ。
呆れてナツを見ていれば、ナツはムッとした表情になって
「でも月を壊せっての依頼だぞ。できねえってんじゃ妖精の尻尾の名がすたる」
確かにそうやけどなあ・・・・・・
「〔月を壊せ〕っていうのはきっと被害者の観点から出てくる発想じゃないかしら。きっと何か他に呪いを解く方法はあるハズよ」
「だといいんだがな」
くあーと欠伸をしながらグレイは言い、ナツとハッピーは布団にダイブ。
「そうね。あたしも眠いし・・寝よ」
ルーシィも布団に横になる。
あ、ちなみに順番は
ウチ|グレイ|ルーシィ|ナツ
や。
普通はウチとルーシィが隣同士やねんけどな。
「・・・・・・・・って!!!こんな獣と変態の間でどーやって寝ろと!!?そもそも何で同じ部屋なのよ」
「タダで泊まらせてもらってんねんから、贅沢は言えへんよ」
苦笑いしながら言うと、ルーシィはジーッとウチを見てくる。
「何や?」
「そういえば、何でシルヴィアは紋章見せるの躊躇ったの?」
「?あぁ・・・」
何のこと言ってんのか一瞬分からんかったけど、この村に入る時のことやと思い当たる。
「単純な話、ウチの本当の紋章はココにあるんよ」
服の上から左胸を親指で指さす。
「やから見せられへんかってん。別にやましい気持ちある訳やないよ?」
「え!?い、いや疑ってるんじゃないのよ!?全然!!」
「分かっとる分かっとる。ウチはもう寝るけど、ルーシィはどないする?」
「よくこんな所で寝られるわね・・・・・・あたしはもうちょっと起きておくわ。お休み、シルヴィア」
「お休み、ルーシィ」
目を閉じていれば自然と睡魔は襲ってきよる。
ウチはそれに逆らわずにスッと眠りに落ちた。