リョーマ嫌われ

□1話
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Said:跡部

たまたまだった。水曜日で部活が休みな今日、次の合同練習の資料を青学男子テニス部顧問の竜崎先生に渡しに行っただけだった。帰り際にテニスコートを覘いた時にコートを仕切るフェンスの外に仰向けに転がり、ぴくりとも動かない大切な幼馴染−越前リョーマ−の姿を目にし、駆け寄ってよく見ると、ジャージの背には数えられないほどの足跡、頬には切り傷、衣服から覗く肌という肌には青痣を作り、言葉のとおりボロボロになっていた。その姿を見たときとてつもない怒りを青学のやつらに抱いたが、まずは手当てが先だとリョーマを姫抱きにし、外に呼んである車に乗せて俺様の家まで連れ帰った。リョーマをリョーマの部屋へと運びベッドに寝かせて怪我の手当てをした。衣服もめくれば、先ほどはうかがうことのできなかった数多の傷があった。手当てが終わった時、残りの幼馴染たちにも連絡を入れ、遠方組のためにヘリも飛ばせた。1時間もすればここに幼馴染が全員集まるだろう。リョーマのさらさらとした髪の毛を梳きながら手元のスマホに目を移せば幼馴染からの今すぐ行くという返信が入っている。どのくらいの時間が経ったのかと時計に目を移すと連絡を入れてから約20分が過ぎていた。あと5分ほどすれば関東組がここに到着するだろう。リョーマを特に溺愛しているあいつのことだ部活をほっといてでも急いでこっちへ向ってるだろう。まぁあいつだけに限らないがな。

コンコンコン

来たな

「景吾様。幸村様、丸井様がいらっしゃいました。」
「ここまで連れてこい。」
「かしこまりました。」

そして足音は遠ざかっていった。
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