火神君が嫌われています

□1話
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火神が気を失う数時間前、彼らはマジバの前で火神が来るのを待っていた。彼ら−相棒組−は火神を含め所謂幼馴染という間柄である。

「大我おっそーい!!」
「煩い、和成」
「wwwwww痛い痛いwwシバかないで、幸にぃ!!wwwww」
「でも大我ちゃんが遅れるなんて珍しいわね。何かあったのかしら?」
「誰か連絡はもらってないかい?」
「「「「ない(わ/よ/な)」」」」

相棒組はいつもなら待ち合わせより先に来ている火神のことを考えて、不安の色を見せ始めた。

「部活が長引いているのかもしれないわね。」
「でもここに来る前に黒子や真ちゃん達のこと見かけたぜ」

実渕の一言に笠松、今吉、氷室は納得しかけたが、高尾の一言で先ほどよりも不安の色が濃くなった。

「変やな。何かあったんちゃうか?」
「とにかく電話してみよーぜ」

Prrrrrrr…Prrrrrrr…Prrrrrrr

ブチッ、ツーツーツーツー

「あかん。繋がらんわ。」
「タイガァァァァァァ」
「暴れんな。落ち着け。シバクぞ。」
「まぁ辰也の気持ちがわからんこともないわ。せやけど」
「とりあえず大我の家行こーぜ」
「平静を装ってもダメよ、カズちゃん。不安なのが丸わかりだわ。」

そんなこんなで少し騒がしいながらも相棒組は今火神の家にいるのだが…。肝心の火神がいない。
まだ学校帰宅していないようだ。制服も部活の時に使うエナメルも見当たらないのだから。
買い物に行っているのだろうか。そうであってほしい。と皆が思う。が、それと共に全員が言いようのない不安感に駆られるのだ。

「待ってたら帰ってくんじゃねーの?」
「そやなぁ。待ってたほうがええな。」



あれからどれだけ経っただろう。もう七時だ。遅すぎる。五時過ぎから雨も降ってきた。

「俺は探しに行って来るよ。」
「私も行くわ。」
「俺も行く。翔と和はここで待っててくれ。大我が帰ってきたら連絡入れろ。」
「うん」
「わかったわ。幸たちも大我見つけたら連絡入れや。」
「あぁ」

氷室たちは駆け出していき、今吉と高尾は火神の家に残り、待った。それから30分ほど経った時、ストバスのコートで火神を見つけた笠松から連絡が入った。
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