♀リョーマin立海

□1話
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桜の花弁が舞い散り、アスファルトの地面を覆い隠している。雲ひとつない青空もこんな日にはぴったりだ。今日はここ立海大付属中学校の入学式の日である。


少年は走っていた。こんな日に遅刻なんてしたらあの鬼の副部長に何を言われるかわかったものじゃない。テニス部は受付と先導の係りを任されている。少年はふと木陰ですやすやと眠っている少女を見つけた。少女の横のラケットバッグからテニスをすることがわかるが、女子テニス部でも見たことがない上、体躯から見ても新入生だとわかる。

少年(以下年)「おい。起きろ。」
少女(以下女)「ん…んぅ」

少年が少女を軽く揺すると少女はゆっくりと瞼を持ち上げた。

年「お前1年だろ?こんなとこで寝てていいのかよ?早く体育館行かねぇと入学式始まるぜ。」
女「ぁ。アンタ誰?」
年「俺は切原赤也。」
女「へぇ。またね?」

少女は体を起こして赤也の名を聞くと少し目を見開いてから挑戦的な笑みを向けてラケットバックを担いで去っていった。

赤(以下赤)「生意気なやつ」

赤也は少女の去った方を見て呟いた。
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