土銀にょた小説

□たまには休息も必要ですよ
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「はいはい、その服脱いで、着替えられませんかあ、銀さんに手伝って欲しいんですかぁ。甘えん坊さんだなあもう。」
と冗談交じりに土方の隊服を剥ぎ取ろうとすると、邪険に手を振り払われる。

「なんのつもりだテメェは、人の仕事の邪魔すんなって言ってんだろうが!」

「だからさ、俺仕事で来てんの、ここ数日お前調子悪いみテェだな。なのにろくに休みもしねぇから、なかなか体調が改善しねぇ。
そこへさらに無理が重なって、見てる方が痛々しいって、お前んとこの大将やら隊士やらが心配して、俺に依頼しに来たんだよ。
体調が完全に回復するように。
とにかく3日間は仕事をさせずに休養させることって。その間俺はお前を自由に扱えるってわけ」
「はあ?近藤さんが?・・・余計なことを、それになんでまたお前に依頼すんだよこんなこと」

「何を言っても言うこと聞かない副長さんをぶちのめしながら休ませられるの俺くらいだろうってさ。人聞きの悪い連中だぜまったく。
というわけで、こっちも生活かかってんだしっかり仕事させてもらう。
おらっ、その服脱いで着替えろ、そんで体温計。熱計って横になれ。今布団ひいてやっから」

「断る!俺は仕事に・・・!」

なおも仕事に戻ろうとする土方の脇腹に一発食らわしてゲホゲホとむせたところで、上着を剥ぎ取る。スカーフを取って、ベストに手をかけたところで土方が降参した。

「わかった!わかったから!着替えりゃいいんだろっ!それくらい自分でやる。
ちくしょう。・・・今日だけだからな。仕事溜まってんだよ。ここで休んじまうと後が大変になってくんだ」

「ダメだ、3日は休んでもらう。1日で治るかっての。おまえ結構熱あるぞそれ。ほら測ってみろ」
着流しに着替え直した土方を無理やり布団に横にさせると体温計を口に咥えさせる。

熱い吐息を吐きながら土方は横になって目を閉じた。

ほらみろ。無理かかってんじゃん。
横になった土方は日頃の疲れか体温計を口に咥えたまま眠ってしまった。
目の下にクマ作っちゃって。
顔色悪りぃし最悪のツラしてんもんな今のこいつ。

「37度2分か。微熱だけど舐めてかかってると本格的に寝込む事にねるぞ。まあ休むこった。」


普段目つきも口も悪い男も寝顔はただの悪ガキのようになる。

ただこの悪ガキはなまじ大人になっているだけに本当の子供よりもたちが悪かった。
1日目はまだ良かったんだ。
疲労が本当に溜まっていたんだろう。そのまま大人しく土方は眠りこけていてくれたのだが、問題は2日目からだった。
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