BLACK END

□No.01
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この世には人を喰らう存在「妖魔」


それを破壊する存在「対妖魔破壊術師」


未知の存在である「ホーリーパージ」



ある2つの生命が1つになることによって、世界を真っ黒に染め上げ、崩壊を引き起こす




それは…


















「ブラックエンド」























No.1 対妖魔破壊術師























"おーぃ"




ん…?




"おーぃ 聞こえるかぁ?"




なんだ…誰なんだ




"いい加減起きろぉ"




俺を呼ぶのは…一体…







「いい加減に起きろ!」


「ぐはっ」




強い衝撃と共に目の前の存在を見た。
白くてふわふわしていて、気持ち良さそうなうさぎの縫いぐるみが目の前にいた。



「なんだ…兄貴じゃん」



初めて見るやつはきっと驚くだろう。今、俺の前にいるのは、約30pのうさぎの縫いぐるみである兄貴。


初めて妖魔を見た日、泣き虫だった俺は脅えすぎて腰を抜かした。もちろんそんなことはお構い無く妖魔は攻撃を仕掛けてきた。
…だけど俺には痛みが全く感じず、目の前で俺を庇ってくれた兄貴の姿があった。

兄貴は最後の力で、妖魔を破壊したが…俺の目の前で死んだ。
辺りは赤で一色になっていて、しばらく俺は人と話すことを拒んだ。

だが、しばらくたったある日、兄貴がいつもつけていた指輪を部屋で発見してつけたところ、俺の力に反応して兄貴の魂が現世に戻ってきたのだ。
戻って来たのは良いが、兄貴が入ってしまった入れ物(身体)は、うさぎの縫いぐるみ。


…という訳だ。




「なにボーッとしてんだ、急げよ」


「ん?」



そんな姿じゃその言葉づかい合わねぇぞ、と思いつつ兄貴を見た。
…何を急ぐんだ?



「…何かあったっけ?」


「アホか、本部からの緊急召集だ」


「あ、確かそんなこと言ってたな」



昨日、本部からの緊急召集があると報告された。内容はよくわからないが、大事な話らしい。
遅刻をすれば恐怖が待っている、と過去に本部に言われたことを思い出すと震えが止まらない。

俺は急いで準備をして、自宅を出るのだった。





























――


-対妖魔破壊術師本部-









「それにしても…最近また妖魔が増えたよな」


ある部屋に行くために本部の長い廊下を歩きながら俺は、頭の上に乗っている兄貴に話しかけた。話題は、最近増えてきた妖魔について。新聞やニュースでも多くなってきた殺人や行方不明などの事件。この多くは、妖魔の仕業である。人の魂を喰らって生き続けている妖魔を破壊し殲滅することが対妖魔破壊術師の仕事だ。



「まぁ、その件についてもレイヴンから話があるだろ…」




「おや?秋夜サンに冬真クンじゃないですか。喋りながら来るなんて余裕デスネ」



部屋の前にいたのは、対妖魔破壊術師本部長のレイヴン…つまりお偉いさんだ。



「時間は…まぁ、ギリギリセーフとしてあげまショウ」


「おい、レイヴン。緊急召集を出すほどの話ってなんだ?」


「まぁまぁ、焦らないでくだサイ秋夜サン。これからお話しマス」



レイヴンは部屋のドアを開けて、不適な笑みを浮かべながらこちらを向いた。



「この世界の結末についてお話しマスヨ」





















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