裏拍手御礼用小話格納庫

□†太一星
1ページ/1ページ

†太一星





「はぅ・・・良い風。」

湯浴みを済ませて部屋に戻り、私は火照った体の熱を冷まそうと縁側に面した襖をほんの少し開いた。

今夜は新月。

月の灯りのない中で、幾億もの星たちがそれぞれの瞬きを繰り返している。

その光景に、私は感嘆の吐息を零しながらしばし目を奪われていた。

「星も、すごく綺麗。」

するとそこへ、背後から高く弾むような小さな子供の声が響いてきた。

「巫女!」

と同時に、咄嗟に振り向いた私のお腹の辺りへ、どすんっと勢い良く何かが飛び込んでくる。

「は、白龍さんっ。あの、こんばんは・・・!」

私は後ろに倒れこみそうになるのを何とか堪えると、跪いて白龍さんと視線の高さを合わせた。

「こんばんは、巫女!」

白龍さんは無邪気な笑顔で、今度は私の首筋へと両腕を巻きつけてくる。

他愛のない触れ合い。

そのはずなのに、これから行われる事を考えると僅かながら羞恥心が込み上げてきた。

「巫女?」

「な、なんでもありませ・・・!」

挙動不審なまでにまごつく私に、小首を傾げて覗き込んでくる白龍さん。

私の腰は更に退けていたけれど、それに構わず白龍さんはいつものようにその姿を変貌させ始めた。

細く華奢な二の腕はゆっくりと大人の男性の逞しいそれに変わり。

薄い胸板はしなやかな筋肉に覆われ、見事に均整の取れた体躯へと進化してゆく。

私が巫女になってからというもの、白龍さんは私と儀式を行う間だけ成人した姿をとるようになっていた。

私の力だけではまだ、ずっと白龍さんを大人の姿に留めておく事が出来ないから。

申し訳なさで一杯になりつつも、私はしがみ付いてくる白龍さんの体をそのままに、彼の姿を見守る。

ところが彼の姿がすっかり成長した頃には、私はその体重を支えきれず、仰向けに押し倒されてしまったのだった。

「わっとっと・・・!」

コロリと畳の上に転がる私の体。

「ぁ・・・北極星。」

その途端、ふと今まで隠れていて見えなかった北の空に、一際明るい星が瞬いているのに気づく。

「ほっきょくせい・・・?あぁ、太一星のことだね。」

その私の視線に気づき、白龍さんも切れ長の美しい金色の瞳を同じように北の空へと向けて答えた。

「たいいつ、せい?」

「うん。北の天にいて万物や生死を司る、尊き星。太一星を中心に全ての星は天を巡るよ。」

白龍さんはそこまで言うと、ほんの少しだけトーンを落としてポツリと付け加える。

「龍にとっての神子と同じ。龍の世界は神子を中心に巡る。」

龍にとっての神子がどれほどの存在か。

世界の中心を失ったままの白龍さんの気持ちは、私には理解など出来ないだろう。

それでも何とか慰めたくて、私は白龍さんの大きな背中をそっと撫でた。

すると白龍さんは寸分の狂いもなく整った顔をふわりと弛めて、人懐っこい笑顔を浮かべた。

「巫女・・・大丈夫だよ。わたしの星はちゃんとあるから。」

返されたのは、予想外の自信に満ちた言葉。

不思議そうに見上げる私に、白龍さんはもう一度にっこり笑って見せると、僅かに体をずらして私の太腿の間へ割り込んできた。

ゆっくりと私の襦袢の前を開き、夜気に晒されて震える私の肌に自分のそれをしっとりと重ね。

私の下腹部の辺りに頬を摺り寄せたかと思えば、白龍さんは不意に顔を上げて心配気な視線を投げかけてくる。

「寒くない、巫女?」

「だ、大丈夫、です。」

私が首を横に振って答えれば、今度は私の太腿を優しく押し上げ、そこへ躊躇う事なく唇を押し当ててきた。

「ぁっ・・・!」

羽毛のようにふんわりと触れてくる、温かな舌の感触。

無意識にピクンッと背筋を引き攣らせると、それに勢いを得たかのように舌の動きが明確にそこを刺激するものに変わった。

割れ目を左右に押し開かれ、その間へ差し込まれた舌が私の敏感な突起を擽り、ピチャ、ピチャ、と子猫がミルクを飲むような音が室内に響き渡る。

「ゃ、だめ・・・そんなとこ・・・ぁっぁっ・・・!」

この儀式にはとっくに慣れてしまったはずなのに、いつまで経っても過剰な反応をしてしまう自分の体に恥ずかしさが込み上げてくる。

それに堪えきれず、ぎゅっと瞼を閉じて腰を捩る私の耳に、どこまでも無垢な白龍さんの声が聞こえてきた。

「どうして?巫女の体は喜んでるよ?気で、わかる。」

いくら自分自身が目を逸らそうとしても、容赦なく突きつけられる現実。

更に羞恥心を募らせる私に、白龍さんはとどめの一言を発した。

「それに人の体は繊細だから、ちゃんと濡らさないと駄目だって弁慶から教わったよ?ここが巫女の気持ち良い所だって事も。」

いつの間に、こんな小さな神様にそんな事を教え込んだんですか・・・!

私は今ここにはいない弁慶さんに、頭の中で恨みがましい視線を贈る。

けれど、そんな行為は何の役にも立たなかった。

体だけは大きくなっても、中身は未だ穢れなき神様。

とにかく素直な白龍さんは、弁慶さんの言いつけ通りに私の弱い所へと舌を這わせ続ける。

ちゅぷっ・・・くちゅ、くちゅ、ちゅぱ・・・

「ぁっゃ、ん・・・んっんっ・・・ぁぁっ!」

割れ目に沿って下から上へと満遍なく舐め上げたかと思えば、その奥で震えている突起を唇に含んできつく吸い上げ。

いやらしい蜜が溢れ出る穴の中へと舌を潜らせると、尖らせた舌の先でそこをグリグリと掻き回される。

あまりの快感に、私は思わず爪先立ちで腰を浮かせ、後頭部を畳に擦りつけながらガクガクと仰け反った。

「くふぅんんっ!!」

びゅくびゅくと私の中から噴出す大量の蜜。

白龍さんはそれを嬉しそうに見やると、上半身を静かに起こし、太くて硬いものを私の割れ目に押し当てて、蜜をたっぷりと絡めとってゆく。

「いっぱい濡れたね、巫女?これなら、もう入れても大丈夫だね。」

私は少し待って欲しいと伝えようとしたけれど、荒い呼吸の下で口をパクパクと動かすのが精一杯。

そうこうしている内に、白龍さんは腰にグッと力を入れ、絶頂に達して痙攣している私のそこに先端を押し込んできた。

ぐぷぷぷっ・・・ずちゅう・・・!

「ひっぁぁぁ・・・!!」

隙間なくピッチリと私の中を埋め尽くす、白龍さんの大きなもの。

私は先ほどの爪先立ちで腰を浮かせたブリッジのような体勢のまま、ビクビクと全身を跳ねさせた。

「すごい、巫女。八葉の気が等しく巡っていて、五行の調和がとてもよく取れてる。わたしの力が高まっていくのを感じるよ。」

白龍さんは八葉の皆の気をその身に得てうっとりと笑いながら、腰をゆるゆると突き上げ始める。

「今度はわたしの、龍の力を皆に分けてあげて。今、巫女の中に・・・注ぐから。」

私の肉体を中継して、八葉から龍神へと還る五行の力と、龍神から八葉へと分け与えられる、昇華された五行の力。

循環する五行の力を受け入れながら、私は飛びそうになる意識を必死で繋ぎ止めていた。

ぱちゅん、ぱちゅん、ぐちゅ、じゅぷ・・・

「んっぁっ・・・ぁっぁっぁっ・・・ゃ、ぅんっ!」

徐々に激しくなる白龍さんの腰。

その淫らな腰の動きは、狙い違わず私の気持ち良い所を集中して擦り上げてくる。

先端を内壁に押し付け、小刻みに揺すったり。

傘の張った部分で襞を掻き分けるようにして、入り口から奥まで出し入れして。

更には、大きくて立派なものを根元まで突き入れ、子宮の入り口を容赦なく抉ってくる。

その頃には私の腰はすっかり砕け、畳に僅かに引っ掛かっていた爪先も今や完全に力を失い、突き上げられる度に畳の表面を掠める程度になっていた。

それでも私の腰が畳に落ちないのは、白龍さんの手が私の腰を支えていたのと、私の中に根元まで刺さっている白龍さんのもののおかげ。

抜き差しされる白龍さんの腰の動きに合わせて、私はただ揺れる事しか出来ずにいた。

ずちゅ、じゅぷっ・・・ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ・・・

「ひっ、はっぁ・・・ぁっぁっぁぁぁんっ・・・ふ、ぁ・・・!」

ポタリ、ポタリ、と滴り落ちる蜜は、すでに畳に水溜りを作るほど。

白龍さんの両手に掴まれた私の腰は高々と掲げられ、星光の中ですっかり濡れそぼった白龍さんのものが私の太腿の間で蠢いているのが見える。

その光景に目を奪われながらも、何度も何度も絶頂に達して、私の意識はすでに朦朧としていた。

やがて、白龍さんが切なそうに眉根を寄せ、グッと息を詰めながら腰を際奥まで捻じ込み。

そのまま、子宮の入り口を抉じ開けるかのように、先端をグリグリと押し当ててきた。

「中にだすよ。受け取って、巫女。」

「ひっぁっぁっぁ・・・ぁぁぁぁぁんっ!!」

どぷり、と流れ込んでくる白龍さんの力と白く温かな液体。

瞬時に私の中が収縮し、思わず溢れ出してしまいそうになったけれど、白龍さんのものがそれを押し戻すように、更に奥へと突きこまれた。

「んっくぅぅぅんっ!」

私の中から力が零れてしまわないように自分のもので蓋をして、白龍さんは私の中に全てを注ぎ込み続ける。

「例え龍神の神子でなくても・・・あなたは、わたしの唯一の星。あなたの願いを叶えるために、わたしは必ず力を取り戻すよ。」

遠のく意識の中で、そんな白龍さんの呟きが聞こえた気がした。





今はまだ、北の空は遠いけれど。

私があなたの唯一の星だと言うのなら、私はその場所を目指そう。

そしていつか、あなたを照らす太一星になる。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ