裏拍手御礼用小話格納庫
□†恋鎖
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†恋鎖
チャリ・・・チャリ・・・
剥き出しの岩盤に露を滴らせ、ひんやりとした空気を内包した洞穴。
そこで微かに、けれどはっきりと金属の擦れる音が鳴り響いている。
それは私が切なく身を捩るたびに、両手を戒める鉄の鎖から放たれていた。
頭上で一まとめにされた両手首を拘束する、頑丈な鎖。
チャリ・・・チャリ・・・
一体どれくらい経ったのだろうか?
いつまでも鳴り止まない鎖の音を朦朧とした意識の端で捉えつつ、私はぼんやりと考える。
その私の膝立ちになった太腿の間には、太くて硬いモノが奥深くまで突き入れられ、執拗に出たり入ったりを繰り返していた。
チャリ・・・チャリ・・・
じゅぷ、ぐちゅ・・・ぬぷっぬぷっ・・・
「んぁ・・・ぁっぁ、ぁぁぁんっ・・・!」
金属音と同調して、私の中を淫らに掻き回すいやらしい水音もどんどん激しくなり、まるで一つの曲を奏でているようにも聴こえる。
そして私のはしたない穴から止め処なく溢れ出す、白い液体。
すでに何度吐き出されたのか分からない位、太腿も地面もドロドロになってしまっていた。
「クッ・・・大分、俺の形に広がってきたようだな・・・。それでもキツイくらいだが。」
ここ数日ですっかり聴き慣れたその声が、低く掠れて熱い吐息と共に耳の中に吹き込まれる。
更にお尻をグイッと左右に割り開かれた状態で、気持ち良い所を集中して小刻みに擦り上げられた。
ちゅく、ぬちゅ・・・ぐぷっぐぷっぐぷっ・・・
「ぁっ・・・知盛、さん・・・だめ・・・ぁっぁっ、ぁぁ・・・!!」
先端の張り出した部分で容赦なく突き回される度に、私の内壁はヒクヒクと痙攣しながら知盛さんに絡みついてゆく。
やがて、必死でやり過ごそうとしていた絶頂が、関を押し破るようにして、津波の如く襲い掛かってきた。
「くっふぅんんんっ!!」
チャリリッ・・・
一際大きく鎖のぶつかる音が響く。
「ぅっ・・・ぁっはぁ・・・ぁーぁ・・・。」
私は内壁を埋め尽くしている知盛さんのモノを締め付けながら、限界まで背中を仰け反らせ、びゅくびゅくと愛液を噴出した。
直後、全身の筋肉が弛緩して、無意識にカクンと膝の力が抜ける。
それによって、私の体重のかかった腰が知盛さんの熱くて大きいモノの上に深く沈んでしまった。
両手首を戒める鎖はあったけれど、少し余裕をもって吊り下げられているそれは、私の体重を支えられる程のものではない。
そのままイッている最中にも拘らず、子宮の入り口を抉じ開けるように、グリっと突き上げられた。
「ひぅぅっ?!」
「まだ、だ・・・。」
私が首を後ろに倒し、天を仰いで全身を痙攣させていると、知盛さんが艶っぽい笑みを含んだ声で囁いてくる。
「ふん、そんなに天が恋しいか・・・?あのような下らぬ世界に随分とご執心だな。」
今は洞穴の天井しか見えないけれど、天を仰いだ私の視線の先に皆のいるあの世界が映っていると感じたのだろうか。
知盛さんは軽く鼻を鳴らすと、まるで罰を与えるかのように私を弄る手に力を込めた。
知盛さんのモノを咥えこんでいる私の割れ目を、右手の指で中の襞が見えそうなほどに押し開く。
そして、左手で割れ目の上の方にある突起をきゅっと摘み上げた。
「ふぁっ・・・ゃ、ぁっぁっぁ・・・!!」
割れ目をパックリと開かれたせいで、より一層深くまで入り込んでくる知盛さんのモノと。
突起を擂り潰しそうな勢いでクリクリと捏ね回す指先。
思わず私の腰が跳ね上がり、ガクガクと揺れ始める。
それが余程気に入ったのか、知盛さんは喉の奥で笑いを噛み殺しながら、耳たぶをカリッと軽く甘噛みしてきた。
「これがイイのか・・・?」
「と、知盛さ、ん・・・も、ダメ・・・ぁっぁ・・・許してくださ・・・んっくぁぁぁっ!」
入り口から最奥までをズル、ズル、と感触を確かめるかの如く行き来していたモノが、私の感じるポイントで突如激しく動き始める。
それに合わせて突起を摘んでいた指も、円を描きながらの押し潰す動きに変化した。
ぬちゅっ・・・じゅぷ、ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅ・・・
「ひっ、ゃぁん、んっんっ・・・ぁっぁっぁっ・・・!!」
気持ち良いモノが私の襞を掻き分け、卑猥な前後運動を繰り返し。
私は唇を薄っすらと開けたまま、滴り落ちてくる涎を拭う事も出来ずに細く高い喘ぎ声を上げ続ける。
「・・・早く、俺の所まで堕ちて来い。」
合間に囁かれた言葉に、私は思わず手首を戒める鎖に指を伸ばしてぎゅっと握り締めた。
「馬鹿な女だ・・・とっくに気付いているんだろう?その鎖が簡単に解ける事を。」
この鎖は簡単に解ける。
それは本当の事だった。
逃げようと思えばいつでも逃げる機会はあったのだ。
「お前が望んでここにいるのなら・・・早く堕ちて来い。」
私はグッと歯を食いしばって、天井からぶら下がっている鎖を更にキツク握り締める。
簡単に解ける鎖にしがみ付いているのは私の方。
だってこれを放してしまえば、私は無理やり囚われているのだという理由を失ってしまう。
その事を認めてしまえば、そのまま皆の運命を諦めて知盛さんに溺れてしまうだろう。
私と天を結ぶ鎖。
それは大切な皆の未来を忘れないためのもの。
手放してしまえば、皆のもとへは戻れない。
そして、私を捉える鎖はもう一つあった。
私の奥深くを穿つ地の底から延びる鎖は、私を知盛さんへと縛りつけるもの。
決して離れられないように、私を雁字搦めにする鎖。
二つの鎖を振りほどいて知盛さんから逃げ出す事も出来ず。
かと言って、皆の未来を諦めて知盛さんを選ぶ事も出来ず。
私は形だけ私を拘束している天からの鎖に、渾身の力を込めてしがみ付く。
必死に指を伸ばして皆の未来を強く望みながら、両足を淫らに開いて知盛さんの熱い楔を狂おしく受け入れて。
「見かけによらず強情だな。ふん、まぁいい・・・お前が逃げぬならいつか必ず堕とすまでだ。」
あくまで囚われているせいだという体裁を崩そうとしない私に、知盛さんは面白そうに目を細めて笑う。
それから唐突に口を噤むと、休む事なくゆるゆると動かしていた腰に意識を戻し、今までにない激しさで振り始めた。
ぐぷっぐぷっぐぷっ、じゅぷ、ぐちゅ・・・!!
「んぁっ・・・ひぁっ、ゃ、ぁ、ぁ、ぁ・・・!!」
パタ、パタ、と私の太腿を伝って愛液が大量に滴り落ちる。
再び絶頂へと押し上げられる私に、その限界を悟ったのか。
知盛さんは捏ねる様に弄っていた突起に、カリッと軽く爪を立てた。
「ひんっ・・・!」
同時に子宮の入り口をグリュッと抉じ開けられ、奥の壁に熱い飛沫を浴びせられる。
「はっぁ、ぁぁぁぁんっ!!」
ぐびゅ、ぐびゅ、と中に注ぎ込まれるのと、すでに今までに出されていたものが押し出されていくのと。
足の爪先をきゅっと丸め、背中を仰け反らせて、私は白い液にまみれた体を痙攣させた。
「何度でも抱いてやろう。俺以外のものが見えなくなるまで、な・・・。」
知盛さんは最後の一適まで搾り出すかのように、切なげに開閉している私のいやらしい穴をいつまでも擦り続けていた。
天の鎖と地の鎖。
どちらも大切なものだから。
この身が千切れてしまうまでは、二つの鎖に繋がれていよう。