裏拍手御礼用小話格納庫

□†理由
1ページ/1ページ

†理由





「来なさい。」

部屋に入ってきた私に気づくと、リズ先生は柱にもたれて座ったまま、スッと片手でマントを開いて私を誘う。

「は、はい・・・。」

静かに促されて、私は纏っていた寝巻き代わりの襦袢を脱ぎ落とすと、恥ずかしい所を手で隠すようにしながら、生まれたままの姿でそっとリズ先生の前に立った。

すると、風のように私の腰を攫う、力強い腕。

向かい合わせにリズ先生の腰を跨ぐ格好で抱き寄せられ、そのまま温かいマントに全身をスッポリと包み込まれる。

素肌に触れる少しゴツゴツした着物の感触と、リズ先生の優しい手の平のぬくもり。

「あ、あの・・・今日も、よろしくお願い、します・・・リズせんせ・・・。」

私はマントの合わせ目から頭だけを出して、これから剣の修行でもするかのようにペコリとお辞儀をする。

「うむ。」

少し変だったかもしれないと小首を傾げる私に、リズ先生は切れ長の瞳を少しだけ緩ませて小さく頷くと、私の体を優しく抱き締め直してきた。

そのまま、私の腰を抱き締めていた手で励ますように私の背中を撫でながら、もう片方の手はお尻を辿って私の奥へとその指を伸ばしてくる。

「辛かったら、言いなさい。」

低く、深い、気遣うような囁き。

それと共に、ゆるゆるとリズ先生の手が動き始めた。

くちゅ・・・にちゃ・・・じゅぷ・・・

「んっ・・・ぁ・・・ぁっぁ・・・。」

すでに私の体を知り尽くしているリズ先生の指は、迷う事なくゆっくりとでも確実に快感だけを引き出していく。

ぐぷっ・・・ぬちゅ、ぬちゅ・・・ぐちゅん・・・

「ひっん・・・ぁ、ぅ・・・ふっぁぁ・・・。」

リズ先生の男らしい指が激しく私の愛液を掻き回す濡れた音が響いて、無意識の内に私の腰も「もっと、もっと」とねだるように揺らめき始めた。

更に指を増やされて、休む事なく続けられる気持ち良い抜き差し。

「ぁっ・・ぁーぁ・・・ゃ、せんせ・・・はっ・・・ぁぁ・・・。」

感じる所を的確に擦り上げられて、私は快感のあまりリズ先生の胸に頬を押し付けて、突き出す格好になったお尻を振り立てる。

そのまま、一人だけ勝手にイってしまいそうになって、私は慌てて自分の腰を止めようとした。

けれど、リズ先生はそれを許さず。

長い指を根元まで埋め込むなり、私の弱い所を指の腹でぐりゅぐりゅと捏ね回してきた。

「はっ・・ぁっ・・・せ、んせ・・・わ、私も・・・んんんんっ!!」

襲い掛かってくる、絶頂。

私は膝立ちでリズ先生の胸にしがみついたまま、ブルブルと太腿を痙攣させながら、大量の愛液を迸らせる。

「ぁ・・・ぁーぁぁ・・・ぁ、ぅ・・・。」

力が抜けて崩れ落ちそうになる私を、リズ先生はその逞しい腕で抱き止めて、中に入っている指をグイッと左右に押し広げた。

内壁がひんやりとした空気に触れ、私は思わずフルリと背中を奮わせて、一層リズ先生の胸にしがみ付く。

「・・・力を、抜いていなさい。」

リズ先生は宥めるように、私の背中を撫でながら優しく囁いて。

ダラダラと愛液を垂れ流している私のソコに、大きなモノの先端だけをグプっと音を立てて埋め込んできた。

「んっ・・・!」

私のソコは十分過ぎるほど濡れていたけれど、リズ先生のモノは大きくて、一気に全てを飲み込む事を躊躇ってしまう。

リズ先生はそんな私が落ち着くのを待つように、腰を動かさず、ただじっと私を抱き締めて背中を撫でていてくれる。

「ぁ・・・も、だい、じょうぶ・・・です・・・んっ・・・。」

私はなんだかリズ先生に申し訳なくなって、自ら先生の大きなモノの上に腰を落とそうとした。

けれど、その腰はリズ先生の手に即座に掴み止められる。

「無理をしてはいけない。」

リズ先生はほんの少しだけ叱るような口調で囁いた後、両手で私の腰をしっかりと固定し、自分の腰を小刻みに動かし始めた。

ぬちっ、ぬちっ・・・くぷっ・・・

「っふ・・・ぁっ・・ぁっ・・・・んっ・・・。」

無理に奥まで入れたりせずに、入り口を解すようにじっくりと突き上げ、そこが解れたら今度は少しだけ奥まで入れて、また小刻みに揺すり上げてくる。

そうやって、私の最奥まですっかり解れた頃には、私の中はリズ先生のモノに進んで絡みつき、もっと深く飲み込もうと蠕動し始めていた。

「辛くはないか・・・?」

私がきゅうきゅうとリズ先生のモノを締め付けて腰を奮わせていると、リズ先生は私の頬を撫で上げて優しく尋ねてくる。

「ぁ、ぅ・・せん、せ・・・もっと・・・んっぁぁ・・・。」

すでに先生に与えられる快感にドロドロに溶けてしまっていた私は、焦らさないで欲しいと夢中でコクコク頷いた。

「分かった。・・・お前の、望むままに。」

ぐぷっ・・・ぬぷぷぷ・・・・・!!

「ひっぁぁぁんっ・・・!!」

耳に熱い吐息を吹き込まれると同時に、一度入り口まで引き抜かれた先生のモノが一気に最奥に打ち付けられる。

先生を銜え込んだ部分を痙攣させながら、ビクビクと仰け反る私を抱き締めて、先生は下から上へと私を串刺しにした腰を動かし始めた。

ぬちゅ、じゅぷ、ぱちゅん、ぱちゅん・・・

「んっぁっぁっ・・・ふぁ・・・ぁぁぁっ!!」

時間をかけて解され、すっかり蕩けた内壁を激しく突き上げられ、押し広げるように淫らに掻き回されて。

私は腰を強く引き寄せられたまま、ただひたすら先生の胸に顔を擦り付けるようにして喘ぐ。

何度か訪れた絶頂を必死でやり過ごしながら、長いことリズ先生に揺さぶられていたけれど、とうとう我慢しきれずに限界が訪れた。

「ぁっ・・せ、んせっ・・・わ、私・・・も、いっちゃ・・・ぁっぁぁぁ!!」

私は先生の胸元をぎゅっと握り締めて泣き叫び、ガクガクと腰を振るわせる。

「・・・私の力を受け取りなさい。」

リズ先生は少し乱れた息の下で熱く囁くと、私の腰を押さえつけて一気に腰を突き上げてきた。

ぐりゅっ・・・!!

「くっぅぅぅんっ!!」

最奥で弾ける飛沫を感じながら、その刺激で更に絶頂に追いやられ、そのまま私は意識を飛ばしてしまったのだった。





「ぁ・・・。」

気がついたのは、すっかり体が清められて、着物もちゃんと着付けられた後。

最初と同じように、柱にもたれた先生の腕の中だった。

「私が守っている。・・・安心して眠りなさい。」

目を覚ました私に気づいた先生は、そっと私の後頭部を撫でながら自分の胸に引き寄せる。

『私が守っているから、安心して眠りなさい』

それは、リズ先生がいつも眠る前に私にくれる言葉。

「せんせ・・・。あ、あの、ごめんなさ・・・。」

先生の胸に頬を押し付けながら、グイッと顔を上げてじっと先生の顔を見上げる私に、先生が問うように小首を傾げる。

「わ、私が弱いせいで・・・せんせ、いつも眠れてないから・・・。」

私がもう少し強かったら・・・先生にもこんなに世話をかけずにすんだのに。

そんな思いで、私がしょんぼりと肩を落としていると、リズ先生の低いけれどはっきりとした声が響いた。

「それは、違う。私はお前が弱いから守っているのではない。」

「え・・・じゃあ、どうしてですか・・・?」

普段から気にしていた事をあっさりと否定されて、私が思わず率直に聞き返すと、リズ先生は困ったような顔になる。

「・・・答えられない。」

「そ・・・そう、ですか・・・。」

答えられないのは、やっぱり・・・と、更に落ち込む私に、見かねたリズ先生がゆっくりと口を開いた。

「答えられないのは・・・理由が無いからだ。私は例えお前が強くとも、己の全てをかけて守るだろう。弱いから、ではない。私はお前がお前だから守るのだ。」

私が・・・弱くても、強くても。

「だから、お前が気に病む必要はない。・・・さぁ、眠りなさい。」

リズ先生はもうこれ以上言うべき事はない、とばかりに私の頭までマントですっぽりと包み込む。

私も今度は大人しく先生の胸に顔を埋めて、ゆっくりと瞳を閉じた。





守るための理由など必要ないのなら。

こんな小っぽけな私が、こんなにも強いあなたを・・・守りたいと望んでもいいですか?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ