裏拍手御礼用小話格納庫

□†メタモルフォシス
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空乃様へ捧げます!





†メタモルフォシス





「んっ・・・。」

思わず高い声を上げそうになって、私は慌てて顔を布団に埋めた。

うつ伏せになって腰だけを高く上げ、太腿を左右に大きく開いたいやらしい格好。

そのわたしのお尻を掴み、割れ目を指で拡げて、譲さんは丁寧に舌で中を掻き回していた。

ぴちゅ・・・ちゅぷ・・・ちゅぱ・・・。

「っ・・・!!・・・ふぅっ・・・んんん・・・!」

あまりの気持ち良さに、唇から零れ落ちそうになる喘ぎ声を必死で堪える。

内壁の気持ち良い所を譲さんの熱く滑った舌に犯されて、掴まれたお尻をピクンピクンと跳ねさせながらも。

私は顔を見られないように、声を聞かれないように、相手が私だという事を思い出させないように、と更に強く布団に押し付けた。

だって。

・・・彼には好きな人がいる。

譲さんからはっきり聞いた訳ではないけれど、これだけ何度も抱かれていれば気づけないはずがない。

彼はとても優しく私に触れながらも、繋がっている間は必ずその瞳を閉じる。

そして、達する瞬間に彼の唇が紡ぐのは。

『・・・先輩。』

切なさに震える、その一言。

彼には好きな人がいる、そう気づいた私は・・・譲さんに抱かれる時は出来るだけ自分を隠すようになった。

道具として抱かれるのは、辛い。

でも、道具として抱く方も辛いんだ。

だからせめて、今だけは譲さんの好きな人になれますように・・・そう、思って。

ぬちゅ・・・ぐぷ・・・じゅぷ・・・。

「っくん・・・っ・・・ぅ・・・っ・・・!!」

私の中をぬるぬると舐め上げていた舌は、いつの間にか二本の指に取って代わっていた。

譲さんはその少し骨ばった長い指で、私の内壁を熱心に擦り上げてくる。

感じる所に指の腹を当てて円を描くようにグリグリと捏ね回し、時折グッと指先で立てられる。

「っふっぁっ・・・っ・・・!!」

執拗な攻めに私は軽く達してしまい、指を締め付けながらぴゅっぴゅっと愛液を噴出した。

「何を、考えているんですか?」

私が布団に顔を埋めたまま痙攣している間にも、ぬちゅっと濡れた音を立てて譲さんのものが押し当てられる。

「・・・きっと、俺のせいですね。」

苦笑混じりの囁きと共に、譲さんの硬くて熱いものが私を押し開いて最奥を突き上げてきた。

ぐぷ・・・じゅぷぷぷ・・・!!

「ひっぁっ・・・んんんっ!!」

仰け反った瞬間、堪え切れず零れ落ちた悲鳴に、私は慌てて自分の口を押さえて布団に顔を埋めようとした。

けれど。

「顔を、見せて下さい。」

譲さんは私の片足を抱え上げ、そのまま体勢を変えて私を仰向けにさせる。

ぐりゅ・・・!!

「ふっぁっぁん!!」

そのせいで、譲さんの大きなものに予想もしていなかった所を抉られてしまう。

譲さんはそのまま上体を倒して私の上に圧し掛かると、私の顔の両側に肘を付いて至近距離からじっと覗き込んできた。

「声を・・・聞かせて下さい。」

ぶつかった視線の先、譲さんの瞳を見て私は驚いた。

普段・・・眼鏡の奥に見える譲さんの瞳は、どこか禁欲的な潔癖ささえ感じさせるものなのに。

今、眼鏡を外して真っ直ぐに私を見つめている譲さんの瞳は、獣のような激しさと貪欲さを秘めている。

「あ、あの・・・譲さ、ん?・・・っ・・・ぁっぁっぁぁぁ!!」

戸惑って呼びかけるけれど、譲さんは私に最後まで語らせはしなかった。

一瞬たりとも目を逸らす事なく、私の目をじっと見つめながら腰をゆるゆると動かし始めた。

じゅぷ・・・ぐちゅ・・・ぱちゅん・・・。

「ふっぁっ・・・んっんっ・・・ぁっぁーぁ・・・ぁん・・・。」

譲さんは私の声を聞き漏らすまいとするかのように、私の声が高くなる場所を狙って擦り上げてくる。

繋がった視線は逸らすことを許されず、譲さんの瞳に映った自分のいやらしい顔を見ながら私は揺さぶられていた。

「参ったな・・・最初は同情のはずだったのに。俺は、変わってしまった。」

「ゆ、ずるさ・・・?んっぁっぁっ・・・ひゃぁんっ!!」

独り言のような譲さんの呟きに、私は意味を図りかねて問い返そうとしたけれど、グチュグチュと掻き回されて喘ぎ声しか出せない。

「変わってしまった俺を許して下さい、先輩・・・。」

私をずっと見つめ続けていた譲さんは、その言葉の最後の一瞬だけきつく瞳を閉じる。

次に目を開いたときには、譲さんの目には再び私しか映っていなかった。

「ここ、ですか?もっと、声を聞かせて・・・俺の名前を呼んで。」

ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん・・・!

「ぁっぁっ・・・ゆず、るさん・・・ゆずる、さ・・・んっぁっぁぁっ!!」

譲さんは両側に付いた腕で私の頭を抱え込みながら、一点を狙って腰を小刻みに振り立てる。

擦られる度に私の中からはぴゅくぴゅくと断続的に愛液が噴出し、譲さんの太いものに掻き回されて卑猥な水音が響き渡る。

ちゃぷ、ちゃぷ、ぬちゅ・・・ぐちゅん・・・!!

「ぁっ、ゆずるさ・・・も、いっちゃ・・・ひっぁぁぁっぁんっ!!」

大きく開いた足を突っ張らせ、背中を仰け反らせながら譲さんのものをきつく締め付ける。

次いで、譲さんも私の子宮の奥に熱い飛沫を注ぎ込んだ。

全てを受け入れヒクヒクと痙攣している私の耳に、微かに聞こえてきたのは。

「・・・さん。」

甘く切ない、譲さんが私の名前を呼ぶ声だった。





「俺はずっと、あなたの傍にいますから・・・何があっても。」

譲さんは私の中に注いでいるその瞬間も、私から目を逸らさなかった。

唇が触れ合いそうな距離でじっと私を見つめながら、譲さんは囁く。

「もう・・・迷いません。」

この時、彼の中で何かが変わっていたのを感じた。

何時からか、どうしてなのか、布団に顔を埋めて目を逸らしていた私には分からなかったけれど。

きっと、譲さんは自分の為に・・・そして、私の為に変わってくれたのだろう。

それは彼なりの、何かを守る為のメタモルフォシス。

私も、大切な人の為に変わっていかなくてはいけない。

もっと強くなって、もっともっと上手にこの人を包み込めるように。





それは。

全てをかけた私なりの・・・メタモルフォシス。

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