短編
□もういいんだよって笑った
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審神者になって、まだ日が浅かった頃に。
始めて念を込めて、復元できたのが、蜂須賀虎徹さん。
金きらのジャケットみたいな鎧に、紫のさらさらの髪の毛。
女の私なんかより、彼が綺麗で。
初めて一緒に戦場に行ったときは、どうしていいか分からなくておろおろしていた私を、支えてくれた。
なんだか怖そうな人だな…うまくやっていけるかな。なんて、考えてたのが嘘みたい。
「何を考えてる」
「うぇ!あ、ごめんなさい、蜂須賀さん!」
「別に、怒っていないよ…」
いい加減、慣れてくれないか。とでも言いたげな蜂須賀さんに、私は余計に申し訳ない気持ちになった。
戦いから、果ては馬の世話まで、ほとんど全ての日常生活を、彼ら刀剣男士に、まかせっきりだ。
私はといえば、彼らが傷つけば鍛冶場について行って、目の前で見ていることしかできない。