長編(無双/元就)

□寂しさでは多分死ねない
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(知らない誰かに、主人公がふぇらします)



「いつも通り、喉の奥でくわえて、歯は立てないでね」

目の前に突き出された、男の自身を唇で軽くくわえる、ふるりと小さく震えた。

気持ち良いんだ。
と、ななこはどこか他人事のように思う。

元就と思いもよらぬところで会って、背中に汗のにじむような、とんでもない心地を味わってから、いそいで連絡をくれた男と会った。

決して好きではない。
でも、求められていることに、ななこはひどく安心していた。

「…っ、そうそう。上手だね」

頭を優しく撫でられる。
男の自身は口の中で、少しだけ大きくなった。

誰かに必要とされていることは、彼女にとって生きることと同義だ。
そこに愛があろうとなかろうと、さして問題はない。

「もっと、奥…でき、る?」

彼の言葉に彼女は一つ頷くと、さらに自身を喉の奥までくわえこんだ。
喉に絡みつく苦くて粘っこい液体と、呼吸がままならない苦しみで、思わずえづきそうになるが、涙を瞳に浮かべながら、彼女はそれを必死にこらえた。

頭を大きく上下させて、自身の先からにじんだ先走りを、舌先でさらうようにして少しだけ吸ってみる。

そのたびに男の腰は少しだけ跳ねる。
意のままに操っているようで、心地が良い。
ちらりと見ると、男の息は絶え絶えで、顔は紅潮し、遠目にも限界が近づいていることは分かった。

男の弱いところを、重点的に舐ってやると、撫でられていた頭を、鷲掴みにされ、自身にぐっと喉が押し付けられた。

どくどくと、喉の奥にじんわり広がっていく青臭さに、思わずむせ返しそうになる。
目をぎゅっと閉じて、こぼれる涙と白濁した精液を飲みほす。

びくんと最後に大きく自身が震えると、唾液と粘液がまぜこぜになったななこの口内からそれを、ゆっくりと引き抜いた。
自身と唇の間に粘液の糸が引き、ぷつりと切れたさまは、なんとも言えず淫靡で。
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