もう一人のドリームナージャ 1 (序章編)

□第9章 夢
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二人は、別々に寝ていたはずなのになぜか同じ場所に立っていた。しかも自分の目線が低いことに気づきお互いを見て叫んだ。
「なんで子どもの姿なんだ。」
二人は顔を見合わせた。でも、二人ともよくよく考えると自分たちはさっきベッドに入って寝たことを思い出した。
「夢・・・。」
声がそろった。キースもフランシスもこういった状況の時によくタイミングが一緒になる。これも双子だからかもしれないと時たま思っていた。そんなことを考えていると奥の方から誰かがやってくる。
「誰だ!」
キースが叫んだ。
「相変わらず威勢がいいね。キース。」
その人物は姿を見せながら言った。その人物は、今の自分たちの身長より少し高いくらいで自分たちと一緒の金髪をもち、緑色の瞳をした少年だった。
「まったく君がすぐそういうふうに人を見るね。常に警戒しているからかな?」
キースはからかわれていることに対して腹が立った。人をからかうならともかく誰かにからかわれるなどキースにとっては侮辱されているのと同じことだったからだ。
「あなたは?。」
とフランシスはキースよりも冷静だった。
「フランシス、君はあい交わさず礼儀正しいようだね。私は、君たちの願いをかなえるためにやってきた魔法使いさ。」
それを聞いたキースが皮肉を言う。
「なにが魔法使いだ。俺はてっきり悪魔か死神かと思ったんだがな。」
「兄さん!」
横にいたフランシスがキースに言う。キースはすぐに挑発的な態度をとってしまう。そのため、この性格が災いしてかキースは人からあまり好かれなかった。
「キース、フランシス・・・アメリアに会いたくないか?」
その少年が言った。二人は、予想外のことを聞かれて少しきょとんとした。そして、何で母さんのことを知っているんだと二人は同時に思った。
「私は幼いころのアメリアを知っている。だれに対しても優しくて、だれからも愛されていた彼女のことを・・・。」
少年は少し遠くを見ながらアメリアによく似ている二人の子どもを見た。
「母さんに会いたくないかだと・・ふざけるな!何を考えているんだ。母さんはもう死んでいる。」
キースが事実を言った。
「ふふふ。もし、生き返ることができたらどうする?」
少年は二人に問いかけた。
「え!!」
フランシスが少し驚いて言った。
「フランシスだまされるな。こいつの言っていることなんて信じるな!」
キースはフランシスに言い聞かせた。キースも若干動揺していた。母さんを生き変えさせるだと。
「もしアメリアを生き変えさせたいのなら。私のところに来い。」
少年は、手を出した。その手をキースはすぐにはたく。
「ふーん。フランシスはどうする?」
少年は、キースの横にいるフランシスに問い詰める。
「あなたは、信用できない気がします。」
フランシスが少年の誘いを断ったので、キースは内心安心した。
「そうかい。じゃあ二人がその気になるまで待っているよ。」


その時、夢から二人は同時に覚めた。二人は、別々の部屋にいたがお互いがまったく同時に起きたことが分かった。
「夢か…。」
フランシスとキースがまた同時のタイミングで言った。
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