もう一人のドリームナージャ6(プレミンジャー公爵家の秘密編)

□第2章 再会
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ナージャはウィーンに来ていつになくそわそわしている。マコはナージャウキウキしていたり、そわそわしているときはなんとなく分かる。そんなナージャを見てリタが声をかける。
「ナージャ、お母さんに久しぶりに会えるから嬉しそうだね。」
ナージャは、リタの方を向いてにっこりとほほ笑んだ。
「いいなあ。」
マコはその会話を聞いてナージャがうらやましくなった。
「マコは家族のこと本当になにも分からないのか?」
側にいたケンノスケが聞いた。マコは頷いた。
「マコ、もしかしたら旅の最中に家族に会えるかもしれない。」
ケンノスケがマコに言った。マコはそんな可能性はほぼゼロに等しいことだと分かっていた。
「そうね。ケンノスケありがとう。」
ケンノスケにお礼を言うと、マコは一人自分の家族について思いを廻られていた。
(お父さんとお母さんってどんな人だったんだろう。優しいのかな?私のこと愛してくれたんだろうか?)
そんなことを考えているうちにダンデライオン一座の公演が始まった。今日も大盛況だ。
「よし、頑張るぞ!」
ナージャがいつになく気合が入っている。
「ナージャいつになく気合入っているわね。」
シルヴィーがナージャにいうと、ナージャは笑顔で答える。
「だってお母さんが見に来てくれるかもしれないじゃない!」
そのはじける笑顔をマコは見て、複雑な気持ちがした。
(ナージャのお母さんってどんな人なのかな?ナージャに似ているのかな?)




ナージャのダンスが始まった直後、豪華な馬車が一台止まり中から美しいプラチナブロンドの青い瞳の女性が現れた。そして、もう一人夫と思われる優しそうな男性が出て来た。
「コレット、ナージャのダンスだ。さあ行こう。」
「ええ。」
そういうと、コレットは、夫とともにナージャのダンスを見た。ナージャも自分の母親が見ていることが分かり笑顔と楽しいダンスでうれしさを伝える。それを見ていた観客たちのも楽しそうに手拍子をしている。そのままナージャのダンスは拍手喝采で幕を下ろした。
「マコ!頑張ってね。」
いつものようにマコにナージャが話しかけた。マコは、頷いた。それを見たナージャは急いで着替えにいった。
「ナージャは、お母さんを見つけたのね。」
マコはつぶやいた。そして、そのままステージに上がった。団長がマコの紹介をすると、マコはお客さんの前で一礼してから周囲を見た。そして、マコはついにナージャの母親を見つけた。マコは一目見てこの人がナージャの母親だと分かるくらいナージャとそっくりだった。しかも、ナージャの母親と目が合った瞬間なんだか不思議な感じが二人の中で起こった。
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