もう一人のドリームナージャ4(フェアリージュエル編)

□第4章 ふたりのナージャ
1ページ/4ページ


マコは、今日という日を最悪の日と思っていた。あと、数時間後には双子のどちらかと会わないといけない。しかも、マコレットとしではなく、ナージャとして。
「あー。もう絶対だめだ。フランシスとキースを欺くなんて・・・無理よ。」
マコは、何回もナージャがいないところで嘆いた。その様子を見ていたリタが心配そうな顔をして言った。
「マコ大丈夫?」
事情を知らないリタは、マコの顔を覗き込む。
「大丈夫よ。」
マコは必死に笑顔で答える。いつも以上の笑顔だったので、逆にリタは変だと思った。
「マコ無理しないほうがいいよ。今日の公演休んだら。」
リタの心遣いに涙がでそうになったマコは、リタの案を飲んだ。実際に公演をできる状態ではなかったし、急きょ買い物にも行かないといけなくなったからだ。
「休みたい?」
団長がマコに冗談だろとでもいいたげな声で言った。しかし、マコは真剣な顔で言った。
「えーと急用が入って公演どころじゃないんです。」
懇願するようにマコが言った。
「急用ね・・・でも、マコお前はナージャと同じくらいうちの花形だしな。」
団長が悩んでいるとおばばが声をかけた。
「1日くらいいいじゃないのかい?マコだって急用の1つや2つあるときもあるさ。それに最近忙しかったし、休んでもなんの問題もないさ。」
「おばば・・・。」
おばばが団長を説得してくれたおかげでマコは午後と夜の公演を休むことができた。マコは、おばばにお礼を言おうと駆け寄った。
「おばば、さっきはありがとう!」
するとおばばは、水晶玉をみながら言った。
「いいってもんさ。いつもマコは頑張ってくれているし。」
お礼を言ってマコはその場から去ろうとした時、おばばがマコを呼び止めた。
「マコ・・薔薇は好きかい?」
マコは変な質問をするなと思い、おばばを見た。
「ええ。花は好きですよ。」
マコは正直に答える。おばばは、それを聞いて少し笑う。
「マコの心にもそのうち真っ赤な薔薇が咲くからね。その薔薇を大切にするといいよ。」
意味不明な言葉を聞いてマコは首を傾げた。そして、おばばはマコにもうひとこと付け加えていった。
「マコ・・・困ったときは、自分を信じることだよ。それと今日は選ぶなら左がいいだろうさ。」
おばばが変なことをまたいうので、マコはまた反対の方に首を傾げた。
「うーん。なんのことだか分からないけど、ありがとうおばば。」
マコはそういうと急いで買い物にでかけた。それを見たおばばが静かに言った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ