もう一人のドリームナージャ3(操られた貴公子編)

□第8章 潜入
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ナージャは、落ち着かない感じでダンデライオン一座で待っていた。その姿を見ていたリタもケンノスケも心配そうな顔をしていた。ダンデライオン一座では、マコがウォール伯爵家の御曹司に連れていかれたことをみんな知っていた。だから、団員みんなが気が気ではなかった。
「マコ今頃どうしているのかな。あの御曹司になんかされてなければいいけど。」
ナージャはずっとそのことばかり考えてる。あの時、無理にでもマコを止めておけばよかったと思っていた。時々マコは、とんでもない行動に出てしまう。特に彼女の中の逆鱗に触れてしまうとナージャでも予測できない危険な行動に出る。
「マコなら大丈夫だよ。いつもみたいにやっつけているかもよ?」
リタがナージャに言った。リタが連れている双子の子ライオンのクリームとショコラも心配そうにナージャのほうによってくる。
「そうだよナージャ。マコならなんとかやってると思うけどな。それに今回の件だって、ハービーたちに任せておけばいいじゃないか。ナージャまで危険に飛び込まなくてもいいよ。」
ケンノスケはナージャを心配して言った。すると、ナージャは、ケンノスケの方を向いて言った。
「だめよ。マコがあんなふうになったのは私のせいでもあるんだから。あの時止めていれば・・・。」





その時、テントの幕が開いた。そこには、ハービー、キース、ジェーンがいた。ナージャは、3人のもとに歩み寄った。
「どうだった?」
真剣そのものの顔をしたナージャが3人に聞いた。すると、ハービーがオッケーのサインを送った。すると、ナージャは満面の笑みを浮かべた。
「やったー。これでマコを助けられる。」
「安心するのはまだ早い。取材と言ってはみてみたが相手はしぶしぶだった。オスカーの手助けがなかったら取材はできなかっただろう。」
ハービーが言った。実は、今回の取材は初めの内は話にも応じてくれなかった。しかし、オスカーやキースがサポートしてくれたおかげでなんとか取材に応じてもいいとの許可が出た。
「分かってるって。」
ナージャが笑顔でいう姿を見ていたキースは心配そうな顔をしていた。
(助けにいくのに逆のことが起きないか心配になるなんて俺もどうかしてるな。)
「じゃあナージャ、7時ごろ迎えにくるからドレスアップしといてね。」
ジェーンが言うと、ナージャが分かったと言った。ジェーンとハービーは用件を伝えて出ていったが、キースは出ていかない。リタがその様子を察して、ケンノスケにわざとらしく話しかけた。
「あっケンノスケ、おばばから買い物を頼まれてたから一緒に買い物に付き合ってよ!」
リタがケンノスケに言った。するとケンノスケが嫌そうな顔をした。
「なんでおいらが・・・。」
「大きい買い物だからお願い!」
ケンノスケは仕方なさそうな顔をしてリタと一緒に外に出た。
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