もう一人のドリームナージャ 1 (序章編)

□第1章 新たなる運命の扉
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暗闇の中を黒髪の少女はただひたすら歩いていた。周囲には、何もなくしばらく歩いていても不思議なくらい景色が変わらないし、なにもぶつかりもしなかった。
「いったいここは・・・出口を探さないと・・・。」
黒髪の少女は、この暗いだけの空間から出ようと必死に出口を探す。すると、少女の目に光が入った。その光を見て少女が安心したのもつかの間だった。周囲の闇が急に晴れていった。それはまるで、かぜに吹かれることで雲が晴れていくかのようだった。
「いったいどういうこと?」
少女が疑問に感じていると、急に目の前に銀色の扉が現れた。扉は、銀色に輝きを放っている。
「きれい・・・。」
少女が扉の取っ手に手をかけた。すると、扉の取ってが氷のように冷たく、びっくりして取ってから思わず手を引っ込めた。その瞬間、銀色の扉が少女にとってなんとなく近寄りがたく、少し恐ろしいようなものに見えた。
「どうしよう・・・。」
少女は迷っていた。扉を開けないとここから出られないことがなんとなくだけど少女は分かっていた。だけど、この扉を開けるのが怖い。もし、この扉を開けてしまえば、もう後戻りはできないと少女は思った。

「扉一緒に開きましょう!」
少女はびっくりしてくりかえった。そこには、プラチナブロンドの髪をした少女がいた。しかし、不思議なことにその少女の顔がぼやけて見えない。
「あなたはいったい?」
少女が問いかけるとプラチナブロンドの髪をした少女は、優しく言った。
「私は、あなたと一緒にこの扉を開く者よ。大丈夫怖がらなくていいわ。確かにこの扉を開くことでいろんなことが待っているかもしれない。だけど、この扉を開くのはあなた一人じゃないから・・・私が一緒だから・・・きっと大丈夫。」
「本当に?」
「ええ!きっと大丈夫よ。だって、私たち一人じゃないから・・・だからきっと平気よ。」
プラチナブロンドの髪をした少女言うと、黒髪の少女に手を伸ばしてきた。どうやら手をつないで一緒にこの銀色の扉を開こうと言っているかのようだ。
「さあ、一緒に運命の扉を開きましょう!そして、運命の扉の向こう側に一緒に行きましょう!」
黒髪の少女は、なんとなくではあるが、このプラチナブロンドの髪をした少女が言っている言葉を聞いているとなんだか安心したのと同時に勇気が湧いてきた。
「ええ。」
黒髪の少女は、プラチナブロンドの髪をした少女の手を握り、一緒に銀色の扉の取っ手を握り、思いっきり開いた。扉を開くと、まぶしい光が二人を覆った。










その瞬間少女は、目を開いた。目を開くと、そこは自分が止まっている古びたホテルの一室だった。
「なんだ夢か・・・。」
そう言いながら時計を見た。どうやら夜中の2時を針は指している。
「もう一度寝るか・・・。」
黒髪の少女はそう言いながらもう一度目を閉じた。
(あの子いったい誰だったんだろう・・・。)
黒髪の少女は再び眠りに落ちながらそんなことを考えていた。

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