もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第7章 アメリアの提案
1ページ/4ページ


しばらくして、少し古そうな建物に5人は入って行った。そこは5人が入るのには少し狭い部屋だったが、どうやら誰かが住んでいた部屋のようだった。部屋の中は、きちんと整理されていて、机には新聞記事をまとめたファイルが置いてあった。
「ハービー、ジェーン、ここはいったい?」
ナージャが助けに来てくれた二人に声をかけた。
「本人に聞けば分かるんじゃないのか?」
ハービーがフランシスを見る。一方のフランシスはどこか苦笑いだ。
「えーと・・もしかしてハービーまでフランシスだって分かっていないの?」
ナージャが驚いた声を出す。すると、ハービーは驚いたのかフランシスをじっと見る。じっと見られたフランシスは、複雑な顔をする。
「ハービー。僕は、フランシスで、兄さんではないよ。」
フランシスがそういうと、ハービーも口調からキースではないと判断したようで、戸惑った表情を見せた。
「君たちはすごく似ているから一瞬見ただけでは判断できない。だから、てっきり俺はキースだと。」
「・・えーと、間違えられることには慣れているから気にしないでください。」
フランシスが微笑みかける。
「それよりハービーここはどこなの?」
ナージャがまた同じ質問をする。
「ここは、キースの借りている部屋だ。」
ハービーが近くにあった椅子に腰を下ろしながら言った。
「え?」
ナージャは、キョトンとさせている。キースが部屋を借りていたことに対してナージャは驚いた。彼は、一つの場所に定住しないイメージがあったからだ。そのせいか、キョロキョロと部屋を見てしまった。
(キースって意外ときれい好き?結構整理整頓されているなあ・・・。色はやっぱり黒物の家具が多いわね。そう言えばフランシスの部屋とかって行ったことないけど・・・白物が多いのかな?)
「わあ!」
ジェーンが変な声を上げる。その声に反応してナージャ、フランシス、ハービーが声のする方を見る。
「きれい!これぞ世に言う天使様!」
ジェーンが声を上げた対象は、なんとアメリアだった。一方のアメリアはフランシスに似た微笑みを浮かべる。
「ありがとう。えーとあなたは・・・?」
「ジェーン・ブラウニーです!天使様!」
ジェーンが即答する。
「ジェーンさん、私のことはアメリアって呼んでくださるかしら?」
すると、ジェーンはアメリアの手をにぎる。
「はい!アメリアさん‼」
その光景を見るハービーはなにがなんだか分からない顔をしている。ハービーの困惑した顔に気づいたフランシスがアメリアを紹介した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ