もう一人のドリームナージャ13(大英博物館編)

□第3章 悪夢の後に
1ページ/5ページ


その日の夜マコはナージャにおやすみと言うと珍しく5秒で眠りについてしまった。いつもなら、ナージャが寝たことを確認してから寝ていたのにこの日の夜はとてつもない眠気に襲われたのだった。
(なんだかすごく眠いわね・・・・。)
マコは、自分でも珍しいと思いながら眠ってしまった。




マコは、一人暗闇の中で立っていた。周囲を見回してみるとそこには、いろんな形の偶像であったり、ちょっとした道具のようなものが並んでいた。どれも、しっかりとしたガラスのケースに収まっている。見た感じではあるが、マコにはこれらが展示品であることが分かった。しかし、マコ自身には、それらの展示品がどういうものなのか皆目分からなかった。
(こっちのかわいらしい物は、なにかしら?)
よく見ようと近づいてみたがどう見ても人形のようにしか見えなかった。マコは、仕方なく別の物を見ようとした。
その時、部屋の奥の方から薄気味悪い気配を感じ取った。マコは、恐る恐るその気配のする方へと向かった。気配の感じるところまでくると、異様なまでの威圧感を感じてしまい、戸惑った。しかし、心のどこかで好奇心があったため、思い切って歩み寄った。マコは、大きなケースに入った展示品を見て驚いた。そこに、展示してあったのは、黄金に輝く首飾りだった。そして、その首飾りの中央には、虹色に輝く大きな石がはまっていた。マコは、その美しさに息を飲んだ。
(すごく、きれいな石・・・。これは、いったい。)
マコは展示品の横に書かれた説明文に目を通そうとした時だった。
『美しいだろ?私をもっとよく見なさい!』
突然低い女性の声が聞こえていた。マコは、慌てて周囲を見回す。しかし、マコの周囲には何もなかった。この奇妙な状況をおかしいと思い焦り始めたマコが、再び首飾りを見ると、そこには、さっきまでいなかったはずの女性が首飾りをつけてマコの前に立っていた。マコは、その女性の美しさに釘付けになってしまった。
女性は、白い肌に漆黒の髪をし、黒曜石を思わせるような黒い目をし、古代エジプト人が身にまとっていた衣装を身につけていた。
「いったいあなたは?」
マコはといけると女性がニヤリと笑った。
『童のことが気になるか?』
女性は、マコに言うと、マコは頷いた。
『童は、この世で一番美しい女性だ。さあ、西洋の女騎士よ、童の力の前にひれ伏すがいい‼』
女性が叫ぶと同時にマコの周囲に虹色の霧のようなものが出てきてマコを包み込んだ。途端にマコは、息ができなくなり悶え始める。
「息ができない!いったいこれは?」
苦しむマコの姿を見た女性が笑い始める。
『童のクリスタルは、呪いのクリスタルだ。お前に今呪いをかけた。もう、お前は童の呪いから逃れられることができない!』
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ