もう一人のドリームナージャ8(鎖の魔女編)

□第7章 決断
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鎖のこすれる音が、広い部屋の中で響いていた。その音は、大きくなったり、小さくなったりしていた。まるで、もがいているように。
「鎖くらいどうにか自分で・・・。」
マコが鎖をとこうともがいている。しかし、もがけばもがくほどに鎖のしばりはきつくなる。そんな繰り返しで、マコも体力的にもうくたくただった。一回は、ナイト・ジュエルの力を借りようかと思ったが、力を借りたりしたら奴らのすぐに気づかれて今度は、頼みの綱のナイト・ジュエルをやつらにとられてしまう。
「どうなっちゃうんだろう・・・。」
マコは不安でいっぱいだった。ふと、マコはキースが自分に手を伸ばして助けようとしていたことを思い出した。
「キース・・・。」
マコは、つぶやくと一筋の涙がこぼれおちた。
そんな時、部屋の扉が開き、女性と少女が部屋に入って来た。マコは、その姿を捉えて、二人を睨みつけた。
「ギャビン夫人!ローズマリー‼」
マコが怒鳴った。しかし、二人はひるむことなく、マコに近づいてきた。
「マコレットやっと感動の再会を果たしたのにそんなに怖い顔をしなくていいのよ。」
ギャビン夫人は、マコの笑顔で言った。そして、マコの頬を軽く触った。マコは、恐怖のあまり顔がゆがんだ。
「私をどうする気?」
マコが聞くと、ギャビン夫人は笑顔で言った。
「マコレット、あなたにはこの公爵家の養女になってもらうわ。そう、私の娘としてここで一生暮らしてもらうわよ。」
「なんですって!?」
マコの目が見開いた。マコの反応にかまわずギャビン夫人は、続けて話した。
「私には、娘がいたんだけど、もう何年か前になくなってしまったのよ。夫も、1年前に亡くなったし。だから、この家を継ぐ子どもが必要なのよ。」
ギャビン夫人がそう言って、マコの方を向いた。
「だから、私に養女になって継げと・・・。」
「そうよ。あなたなら、この公爵家を継ぐのにふさわしいわ。マコレットと私で力を合わせれば、どんな敵にだって勝つことができるわ。そうすれば、ヨーロッパを私たちの意のままにすることができるのよ。」
ギャビン夫人が自分の野望を話した。マコは、恐ろしさのあまり顔が硬直してしまった。
「私は、自分の力をそんなふうに使いたくないわ!」
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