もう一人のドリームナージャ8(鎖の魔女編)

□第4章 ローズマリー
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結局、教会の炊き出しの時間ずっといたがギャビン夫人は現れなかった。これには、マコは落胆した。しかし、今日は4人に会えたのでまあいいかと思った。それに、今晩も誘拐される子どもがいないかパトロールをしないといけないとマコは思っていた。
「じゃあ、マコ姉また明日。」
セーラがマコに声をかけると、4人はどこかに行ってしまった。
「あの子たち帰るところあるの?」
ナージャが聞くと、マコは首を横に振った。
「じゃあ・・・。」
ナージャが言うとマコがナージャを見る。
「ナージャ、悲しいけどあの子たちにしてあがられることはないわ。」
「でも・・・。」
「世の中はね、まだ平等ではないのよ。一部の金持ちや貴族の地位にいる人は、ある程度の暮らしが約束されるわ。でも、貧しい人たちには、そんな約束はないのよ。でも、格差に苦しみながらもいきていかないといけない・・・。でもね、彼らには彼らの幸せがあることを忘れないで!」
マコがそういうと、ナージャが首を傾ける。
「幸せ?」
「そう、あの子たちの幸せは、仲良しのみんなと一緒に過ごすこと・・・ただそれだけよ。他になにも望んでないのよ。」
マコがそういうと、ナージャはじっとマコの横顔を見た。
「マコってさ・・・すごく大人だよね。」
「え?」
マコが驚いてナージャのほうを見る。
「だって、わりきっているし・・・私よりもいろんな見方や考え方ができるじゃない。」
ナージャが言うと、マコは照れているのか少し顔を赤めて言った。
「そんなことないわよ。ただ、ナージャとは違う生き方をして、私なりにいろんなものを見たからよ。」
マコが答えていると、後ろから話しかけられた。
「何二人で話しているんだい?」
フランシスが聞いた。マコとナージャは後ろを振り返った。そこには、手にドイツパンとソーセージを持ったフランシスとキースが立っていた。マコは、一瞬どんな物を持たせてもこの双子は絵になるなとふと思った。そして、キースとフランシスからマコとナージャはパンとソーセージをもらう。
「ありがとう・・・えーと特になんでもな・・。」
とマコがフランシスの質問に答えようとした時にナージャがマコより早く答えた。
「マコが、大人だなって思ったことを話していたのよ。」
ナージャが言った。それを聞いた、キースがマコを見た。マコは、キースがなんか言いだしそうだと思った。案の定キースは言った。
「マコレットが、大人ね・・・まだまだだと思うがな。」
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