もう一人のドリームナージャ7(追憶編)

□第4章 隠し事
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不運というものはこうも重なるものなんだとマコは感じずにはいられなかった。1回目は、ホームから突き落とされそうになったし、2回目はヘルマンの使い魔にやられそうになった。そして、3回目は、列車ごと、がけから落ちそうになるなんて・・。
「それは分かったけど、どうやって降りるのよ。気のせいかさっきよりもこの列車のスピードが速くなっているきがするけど。」
マコが言うとキースが言った。
「ヘルマンのしわざだな。なら車両の連結部位を引き離すしかない。このスピードで降りるのは自殺行為に等しいからな。」
そういうと、4人は車両の連結部位があるところに向かった。ほどなく、連結部位は見つかり、取り外しにかかったが、びくともこともしない。
「おかしいよ、普通外れるはずだ。」
フランシスとキースの二人係ではずれないのは不自然だった。マコはじっと連結部位を見た。すると、なにかをその部位から感じ取った。
「たぶん、術が駆けられているわ。これじゃあ私の出番ね。」
マコが言う呪文を唱えて、剣を取り出した。そして、振りかぶって思いっきり切った。すると、ほどなく連結部位がはずれ、先頭車両と2両目の車両が切り離された。4人は、2両目の車両に飛び乗った。ほどなくして、4人が乗った車両は止まり、先頭車両はそのままがけまで走って行った。
「ふーこれで大丈夫ね。」
マコが言うと、ナージャが言った。
「これからどうするの?」
そう言われてマコは考え込んでしまった。おそらく、ドイツの近くには来ているが、ついていないのは確かだ。
「とりあえず、ここにいたらまたヘルマンに狙われるのは確実だ。そうなると、近くの町まで歩いていくしかないな。」
キースが言った。
「やっぱりそうなりますよね。」
マコがため息をつきながら言った。正直さっきの使い魔との戦いで全員くたびれていた。しかも今外はあめが降っている。4人は、荷物をまとめて雨の中歩くことになった。
「人生いろいろだけど・・ここまで災難が続くと生きるのって大変だわ。」
マコがぼやいた。
「だけど、いろんな災難にあって生きているんだから幸運とも言えると思うよ。」
フランシスが前向きな考えで言った。
「そうよマコ、ものは考えようよ。」
ナージャは笑顔で言った。
「確かにそうかもしれないけど・・・。」
マコはうだうだ言っているのを聞いてキースが言った。
「この先のことを考えてもしかたないだろ。今のことだけ、とりあえず考えるんだな。」
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