もう一人のドリームナージャ15(マザーローズ編)

□第9章 ナージャの思い
4ページ/4ページ


マコが俯きながら話す。
「いいやおかしくない。」
「え?」
「さっきの声はナージャだったのか?」
マコはさっきの大きな声を聴いていたのかと思い、頷く。
「そうか・・ならおかしくない。ナージャもおまえが帰ってくるのを待っているんだ。」
「帰る・・どこに帰るっていうの?」
マコはキースに問いかける。
「それは・・いずれ分かるさ。その為に俺がいるんだからな。」
キースはそう言うとマコの手を優しく握った。
「キース・・私怖いわ。」
「え?」
「なんだか私大切なことを忘れている気がして怖いの。だから、私の側にいてね。」
マコから思いもよらない言葉を聞いてキースは目を見開く。そして、優しい微笑みを浮かべる。
「ああ、約束する。俺は、お前の側にいると・・・。」
「キース・・・ありがとう。」
マコはキースに心のそこから感謝した。




その様子を森の影からじっと見ていたレイモンはため息をついた。
(ナージャ・・・君も、マコレットのことを待っているんだね。それにしても、ここまで君の思いが届くとは思っていなかったよ。)
レイモンは心の中でつぶやくと頭上を見た。
「でも、ナージャ私は君の父親としては失格みたいだ。なぜなら、マコレットを帰すわけにはいかないのだからね。」
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ